17_埼玉県川口市町多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 

申請No.17
申請日:2023年5月30日
申請/実施責任者:川口市保健所 生活衛生課
場所: 埼玉県川口市
居住者:当事者本人(59歳、女、無職)、夫(82歳、無職)
居住環境:貸家/アパート
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:27頭(25頭で申請したが実際には27頭だった)
手術日:6月14日、28日、7月5日
協力病院:ライト動物病院
チケット発行数:25枚
手術頭数:23頭(子猫3頭が幼齢のため手術不可、高齢猫1頭は獣医師の診察の結果、飼い主判断で手術対象外となった)
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 7年前に野良猫のオス1頭を飼い始めた。その後、オスだと思ってもらい受けた野良猫1頭が実はメスであったため繁殖してしまい、2021年頃に多頭飼育状態に陥った。完全室内飼育であった。
  2. 別居している当事者の娘からの連絡で発覚。
  3. 当事者に対し、雌雄で部屋を分けてこれ以上の繁殖を抑制すること、インターネット等を用いて新たな飼い主を探すよう指導した。
  4. 2022年から不妊手術を勧めてきたが、当事者の同意を得られなかった。しかし、当事者の生活支援を行っている福祉部局の協力もあり、今回、当事者の同意を得て申請に至った。
  5. 申請時の現場の猫の総数は25頭。高齢猫1頭について、常時オムツを着用していること、年齢から繁殖能力がそれほど高くないこと、また高齢による手術のリスクがあり、獣医師の説明により飼い主が手術をしないことを選択した。子猫3頭は幼齢のため手術対象外となったが、後日1頭が亡くなり、残る2頭については保健所に引き取られ譲渡された。この2頭については、手術適齢期を待って里親が不妊手術を実施する。25頭から4頭が手術対象外となったため、まず21頭の手術が行われた。
  6. その後、1度目の支援実施時に隠れていた2頭を新たに発見したと当事者より申し出があったため、この2頭もチケットによる手術を行った。最終的に現場の猫の総数は27頭であった(支援後に4頭亡くなり、最新の現場の頭数は20頭)。
  7. 支援後はスペースに少しゆとりができ、以前ほど猫がいたるところにいるという状況ではない。マーキングが減少して以前より臭いもしなくなり、雌雄ともに発情が抑えられたことで落ち着いた様子である。
  8. 当事者は今後も同じ場所に住み続け、飼養を継続しながら里親探しをしていく。
手術日 オス メス 耳カットのみ
6月14日 3 7 0 10
6月28日 10 1 0 11
7月5日 1 1 0 2
14 9 0 23

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
頭数を事前に確認したうえで申請から手術まで行ったつもりであったが、手術後に飼い主から連絡があり、未手術の猫が2頭残っていたことが判明。急遽追加で手術を行った。どうぶつ基金への申請前に頭数の確認を確実に行うべきであった。


どうぶつ基金スタッフコメント
まずは全頭の手術が完了できたことにホッとしています。21頭の手術後、新たに未手術の猫2頭が発見された際、当事者が速やかに行政に報告したことで手術漏れを防ぐことができました。この2頭から今回の支援がすべて無駄になってしまうことも十分に考えられ、きちんと報告があったということは、当事者と行政との信頼関係がある程度できていたのだろうと想像しています。
報告書から当事者の心情を窺い知ることはできませんが、日に日に増えていく猫たちを見て、どのように思っていたでしょうか。人と暮らす動物がその生涯を幸せに過ごせるかどうか、それはすべて飼い主にかかっています。当事者には、今回の件を真摯に反省し、今いる猫たちが少しでも穏やかに暮らせるよう飼い主としての責任を果たすこと、そして決してあきらめずに譲渡先を探し続けることを求めたいと思います。
行政にも今後の見守りを継続していただくよう願います。


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