10_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.10
申請日:2025年5月19日
申請/実施責任者:鹿児島市保健所 生活衛生課
場所:鹿児島県鹿児島市
居住者:当事者(29歳、男、無職)、交際相手(32歳、女、無職)
居住環境:貸家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):14頭(3頭)
手術日:5月30日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:7頭(8頭は手術済みだが、うち1頭は腹腔内陰睾のため再度手術が必要)
手術頭数:5頭(子猫2頭は手術前に譲渡)
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 4年前にジモティを経由して猫を2頭飼い始めた。
  2. その後もジモティや野良猫の保護により飼育頭数が増加。一部の猫は手術していたが、未手術の猫が交配して子猫が生まれ、現在の頭数に至る。
  3. 当事者から市役所に、経済的事情により飼い猫の飼育が困難になったため引き取ってほしいとの相談があり発覚。まずは譲渡先を探すように指導した。
  4. 当事者と交際相手ともに失業中で生活が困窮しており、生活保護を受給している。当事者が費用を負担して全頭の手術を行うことは困難と判断し、申請に至る。
  5. 14頭のうち8頭は手術済みだが、そのうち1頭は片方の精巣が腹腔内陰睾でまだ体内に残っているため再手術が必要。その1頭を含めて7頭分のチケットを申請。
  6. 子猫2頭は支援前に里親が見つかり、譲渡先で不妊手術を行う予定である。残る5頭はチケットによって不妊手術が行われ、現場に残る12頭すべて手術済みとなった。
  7. 支援の前後で衛生環境や猫の状態に変化はないが、トイレを増設したことにより飼養環境は改善している。
  8. 12頭の猫は今後も当事者が飼養を継続する。
手術日オスメス耳カットのみ
5月30日2305
2305

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者には経済的な余裕がなく、多数の猫の不妊手術を実施できずにいたが、どうぶつ基金の支援を受けたことで、短期間で全頭の手術を実施することができた。今回の支援で繁殖の恐れがなくなったことや譲渡が進んだことにより、当事者も安堵している様子だった。


どうぶつ基金スタッフコメント
半数の猫に不妊手術を実施していたことや支援前の写真から、当初は適切に飼育していたであろうことが分かります。しかしながら、責任をもって飼育できる頭数を超えた安易な引き取りと保護、そして全頭に不妊手術を行わないままの多頭飼育は飼い主失格と言われても仕方ありません。行政に引き取られ、譲渡先が見つからず行き場がなくなった猫の最期は当事者も薄々知っているはず。当事者はまだ若く、猫を手放してやり直すこともできるでしょうが、殺処分によって失われた猫の命は二度と戻りません。
当事者の引き取り相談によって今回の支援につながったことは事実ですが、今後、飼育を継続していくうえで自分がしようとしたことの重みを忘れないでいてほしいと思います。当事者は、1日も早く経済状況を立て直し、12頭の命を預かる飼い主としてその責任をしっかりと果たすことが求められます。


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