37_埼玉県東松山市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.37
申請日:2022年10月28日
申請/実施責任者:東松山市
場所:埼玉県 東松山市
居住者:当事者本人(75歳、男性、パート)妻(75歳、自営業)長男(50歳、無職)次男(47歳、会社員)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:22頭(20頭で申請するも実際は15頭、支援中に子猫7頭が生まれ計22頭)
手術日:11月18日、12月19日
協力病院:堀どうぶつ病院
チケット発行数:20枚
手術頭数:13頭(対象となる成猫が15頭であったこと、うち2頭が手術対象外となったため7枚未使用)
協働ボランティア:NPO法人こころ星

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 猫を飼い始めたのは30年ほど前。知人から譲り受けた猫1頭を飼育していた。
  2. 3~4年前、自宅近くに捨てられた猫4頭を保護して飼い始めたことから急激に増えていった。
  3. 市職員が別件で近くを訪れた際、現場に複数の猫がいる様子を見かけて訪問したことで多頭飼育が発覚。
  4. 室内飼育と不妊手術を勧めるも、不妊手術は金銭的な理由で早急な対応は難しいとのこと。雌雄を分けて飼育をして少しずつ不妊手術を行うことや、保護団体などへ支援を依頼してはどうかと提案した。
  5. 最初の訪問から約10カ月経過したが状況は変わらず、当事者による全頭手術は金銭的にも困難であると判断し申請を決定。
  6. 当初20頭で申請するも、重複して数えていた猫や行方不明になった猫がいたことから実際には15頭であった。15頭のうち2頭は健康状態が悪く手術できず。結果、7枚が未使用となった。
  7. 猫の健康状態や現場の状況などを考慮して14頭(健康状態が悪く手術できなかった1頭を含む成猫6頭と支援中に生まれた7頭を含む子猫8頭)をボランティアが保護。子猫については、2023年5月時点で体重2㎏未満の2頭を除き不妊手術が完了しており、1頭はすでに譲渡済み、さらに3頭が譲渡先決定済み。また成猫1頭についても譲渡希望者がいるとのこと。
  8. 当事者宅には成猫8頭が残るが、もともと衛生環境や臭いはひどくなく、支援によって繁殖が抑制されたことでさらなる衛生環境の改善が期待できる。
  9. また、チケットによってワクチンやノミ駆除を投与することができ、ボランティア団体によって猫風邪の治療もできたことから猫の健康状態も改善された。
  10. 今回の支援を通してほぼすべての猫に不妊手術を行うことができ、また、ボランティア団体が保護するなどして飼育頭数を減らすことができた。
手術日 オス メス 耳カットのみ
11月18日 3 8 0 11
12月19日 0 2 0 2
3 10 0 13

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
ボランティア団体の協力によりスムーズに対応することができた。また、ボランティア団体が病気の治療や保護・譲渡の手続きを実施してくれたことで、猫の健康状態の改善や飼育頭数の適正化を図ることができた。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は30年ほど前から猫を飼育していましたが、多頭飼育崩壊に陥るきっかけとなったのは3~4年前に4頭の捨て猫を保護したことでした。捨てられた猫を何とかしてあげたいという優しい気持ちからだったと思いますが、この時点で不妊手術ができていれば…と思わざるをえません。
猫は室内外を行き来していたため、当事者も正確な頭数は把握できていませんでした。申請後に生まれた子猫7頭を含めて総数は22頭でしたが、きっとこれまで当事者が知らないうちに生まれては消えていった命がたくさんあったことと思います。ボランティア団体が譲渡・保護するなどして、現在は8頭が当事者宅で暮らし続けています。今回のことをきっかけに、当事者が飼い主としての責任を自覚し、8頭の命と向き合ってくれることを願います。


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