61_北海道室蘭市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.61
申請日:2021年12月1日
申請/実施責任者:室蘭市 生活環境部 地域生活課
場所:北海道室蘭市
居住者:当事者本人(男、61歳、無職)母(女、86歳、無職)
居住環境:借家/集合住宅
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:14頭
手術日:2022年2月10日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:14枚
手術頭数:14頭

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 1頭の野良猫を拾って飼育を始めた。
  2. 室内外を自由に行き来させていたため、繁殖してしまい現在14頭になってしまった。
  3. 近隣の保育所の敷地に猫が糞尿をする、当事者が猫を追いかけて保育所の敷地内に侵入することなどから、当該保育所から室蘭市に苦情が入り発覚した。
  4. 室内はまだそこまでの悪臭はないものの、何度も繰り返し飼育方法について指導するも効果が見えず。保育所をはじめとする地域が迷惑しており、これ以上の状況悪化を防ぐため申請が必要と判断した。
  5. 現場の猫14頭全てに手術を実施。14頭は当事者宅に戻り当事者が飼育を継続するが、市営住宅はペット飼育禁止であるため、里親探しを行うこととしている。。
  6. これまで猫砂をストーブで炙って再利用しており、外までかなりの悪臭を放っていた。手術後は砂を炙るのを止めてペットシーツに切り替え、臭いについてはある程度改善された。
手術日 オス メス 耳カットのみ
2月10日 8 6 0 14
8 6 0 14

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
なかなか支援に同意しなかった当事者を、道や福祉部門関係者を巻き込んで説得することができたたため満点をつけたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
今回は病院が遠方で猫の搬送が困難と事前の相談があり、協力病院のご厚意により、市営住宅内の空き部屋を利用して往診で対応することとなりました(出張費については当事者が負担しています)。
住宅部門や福祉部門など他部署との協力のもと当事者の説得にあたり、14頭全頭の不妊手術完了という結果に終わったことは素直に良かったと感じます。手術後の猫は全頭当事者宅に戻って完全室内飼育となり、もう近隣の迷惑となることもないでしょう。
ただ、行政の報告書を見ると、当事者には自身の猫の飼育環境について問題意識が欠けているようです。現場がペット飼育禁止であり里親探しを急ぐ必要があることや、完全室内飼育となったことによって飼育環境が悪化することのないよう継続して見守りとサポートが必要であると感じます。


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