54_東京都瑞穂町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.54
申請日:2023年10月24日
申請/実施責任者:瑞穂町 住民部 環境課
場所:東京都西多摩郡瑞穂町
居住者:当事者本人(70歳、男性、無職)
居住環境:持ち家/戸建
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:20頭
手術日:11月11日、11月17日、11月23日、12月2日
協力病院:湖畔どうぶつ病院
チケット発行数:20枚
手術頭数:15頭(子猫4頭を含む5頭はボランティア・里親の費用負担により手術済み)
協働ボランティア:ニャンニャンみずほ

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 約3年前、猫2頭を知人から譲り受け飼育を始めた。
  2. 当事者は不妊手術の必要性を認識しておらず、子猫が産まれてしまったら誰かに譲ればよいと考えていた。実際に知人に何頭か譲ったこともあったがそのうち貰い手がいなくなり、20頭まで増えてしまった。今回、動物愛護相談センターに声を掛けられるまで外部に助けを求めなかった。
  3. 発覚のきっかけは、近隣住民から悪臭について動物愛護相談センターに相談である。センターから町に情報提供があり、その後、町と動物愛護相談センターとボランティア団体が合同で現場を訪問し、多頭飼育崩壊であることを確認した。
  4. 発覚した段階ですでに20頭まで増えていたため、これ以上増やさないように不妊手術が必要である事を説明。現状、適正飼養ができているとは言えないため全頭里親を探して引き渡していくことを了承してもらった。また、今後は同じことを繰り返さないよう、不妊手術をしていない猫を新たにもらってくる事は止めるよう指導した。
  5. 猫がすでに20頭おり、生活保護で経済的な余裕がないことから緊急で対応する必要があると判断し、申請に至る。
  6. チケットによる手術は15頭で5枚が未使用となった。1頭は支援前にボランティア団体が費用を負担して手術を行い、子猫4頭は幼齢のため手術ができなかった。その後、未手術の子猫4頭のうち2頭は譲渡先が見つかり、譲渡先で手術済み。残った子猫2頭についてもボランティア団体の費用負担によりすでに手術を終えている。
  7. 手術済みの猫は全頭は当事者宅に戻され、当事者が飼養を継続しながら里親を探していくことになっていたが、当事者が亡くなってしまった。
  8. 20頭のうち6頭に譲渡先が見つかったが、親族は引き取りや世話ができないとのことで、残る14頭についてはボランティア団体のスタッフ宅に数頭ずつ分散して保護された。今後はボランティア宅でお世話を受けながら譲渡先探しを継続する。治療中の猫もいるが、清潔な環境で飼育されているため健康状態も良く、ストレスも軽減している。
手術日 オス メス 耳カットのみ
11月11日 1 1 0 2
11月17日 0 1 0 1
11月23日 2 4 0 6
12月2日 2 4 0 6
5 10 0 15

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
できる限りの対応を行った。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は不妊手術の重要性を認識していませんでした。完全室内飼育で繁殖していることから雌雄をもらい受けたのだと思われますが、複数頭しかも雌雄を飼育するのであれば不妊手術は絶対です。猫を譲った知人にも責任の一端はあるのではないでしょうか。
支援後に当事者が亡くなってしまいましたが、親族は引き取りやお世話を拒否しました。ボランティアの方のご尽力で残された猫たちは全頭が譲渡・保護され、飼育環境も劇的に改善しています。時間はかかるかもしれませんが、すべての猫が新しい家族を見つけて幸せになれることを祈っています。


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