66_鹿児島県伊佐市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.66
申請日:2021年12月27日
申請/実施責任者:伊佐市 環境政策課
場所:鹿児島県伊佐市
居住者:当事者本人(男、81歳、無職)配偶者(女、74歳、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:19頭(捕獲時に新たに1頭を発見、全19頭となった)
手術日:2022年1月13日、17日、27日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:18枚(申請時に把握していた18頭分を申請)
手術頭数:14頭(19頭のうち、ボランティア団体に保護された5頭を除く)
協働ボランティア:waco

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 10年程前、配偶者が職場から子猫を1頭もらってきた。
  2. その後、配偶者が難病のため入院。猫は当事者が世話をしていたが、いつの間にか2頭に増えており、自分の猫ではないと思いつつも家に入り込んできた猫に餌を与えていた。
  3. 配偶者が退院した時には猫が5頭に増えており、配偶者もまた自分の猫ではないと思いつつ餌を与えていた。
  4. そのうち子猫が7頭産まれ、その後も迷い猫が加わるなどして現在は19頭となっている。
  5. 当事者の親族と自治会から市の長寿介護課に相談があったことで多頭飼育が発覚。配偶者が利用している介護サービス事業所から悪臭等の苦情があった。
  6. 何度も不妊手術について当事者夫婦に助言するも「自分たちの責任で飼育して不妊手術等も行う」との回答であった。しかし、当事者夫婦はともに病気を抱えていて思ったように猫の世話ができず、野良猫や産まれた子猫が加わったことで自宅の環境も日に日に悪化。多頭飼育状態であることを考えると、当事者に不妊手術費用を捻出することはできず申請を決定した。
  7. 猫の総数は18頭と把握していたが、捕獲時に1頭多い19頭であることが判明。そのうち子猫5頭はボランティアが保護(不妊手術はボランティアの費用負担で実施予定)。残った14頭はチケットで手術を行い、14頭全頭が当事者宅へ戻った。
  8. 猫がいつもいた縁側には糞や白骨化した猫の死骸等があったが、手術中に地域包括支援センターの職員で清掃を行ったことで臭いも改善された。
  9. 手術前、猫たちは台所等の残飯を食べたり、室内で糞尿をしたりするなど衛生環境が悪かった。手術後は残飯等をしっかり処分するようにして、猫の餌やトイレを倉庫に設置。
  10. 現場に戻った猫については、ボランティア団体協力のもと譲渡を進めていく。現在、当事者は入院中で配偶者も障害がある。猫を室内に入れると飼育環境が再度悪化する可能性が大きいことから、譲渡までの間は基本的に室外での飼育を認めることとした。
手術日 オス メス 耳カットのみ
1月13日 6 5 0 11
1月17日 0 1 0 1
1月27日 1 1 0 2
7 7 0 14

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
地域包括支援センターの職員が夫婦に対して早い段階から猫の手術を促し、手術をすると回答をもらっていた。しかし、生活費や自宅の改修費等(自宅は至る所に風穴あり)の捻出があったり、夫婦ともに障害があって身寄りがいない等で、不妊手術を行うことができず、みるみるうちに猫が増えて多頭飼育となってしまった。もう少し強制的に手術をするように促すべきだったのかと地域包括支援センターの職員は今でも悔やんでいる。
良かった点は、多頭飼育の現場に困っている時に早い段階でボランティアと繋がることができ、助言などの協力をいただきながらスムーズに手術完了まで進んだこと。
今回、チケットを発行してくださったどうぶつ基金、そして協力いただいたボランティアの方々には感謝しかありません。本当にありがとうございました。


どうぶつ基金スタッフコメント
最初は1頭の子猫のみでしたが、10年後には19頭になっていました。縁側に猫の白骨化した遺体があったことを考えると、恐らくさらに多くの猫がいた時期があったのではないでしょうか。
最初に関わった地域包括支援センターの職員の方は、不妊手術の実施を強く促さなかったことを後悔しているとのことですが、当事者が費用を準備できないのであれば行政は何もできません。行政は費用の肩代わりなどできないからです。
そういった時のためにどうぶつ基金の多頭飼育救済制度はあります。行政ができること、民間ができること、それぞれ異なるからこそ最強のチームができ上ります。今回のケースでは、市の複数の部局が連携し、民間のボランティア団体が協力し、どうぶつ基金が費用を支援することで解決に至りました。
多頭飼育崩壊は今や、地域の問題ではなく日本全体の問題となっています。対応に頭を悩ませている行政の方は、現状から目をそらすことなく、変なしがらみやプライドに捕らわれることなく、どうぶつ基金を頼っていただきたいと心から思います。


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