1_兵庫県尼崎市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.1
申請日:2021年2月12日
申請/実施責任者:尼崎市動物愛護センター
場所:兵庫県尼崎市
居住者: 当事者本人(46歳、男)
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:15頭
手術日:3月24日
協力病院:北摂TNRサポート のらねこさんの手術室
チケット発行数:15枚
手術頭数:15頭

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2017年知人経由で保護した猫1頭が妊娠しており、そこから7頭の子猫が産まれた。
  2. 子猫7頭のうち、5頭は譲渡先が見つかり2頭が手元に残ったが、それぞれオスとメスで不妊手術をしなかったため、ここから徐々に数が増えていった。
  3. 増えていく過程で10頭程は当事者自身で譲渡先を見つけていたが、手術の必要性は感じていなかった。
  4. 2018年8月に現在の居住地に猫とともに移り住み、2020年夏頃まで室内と外を自由に出入りさせていた。
  5. 2020年秋に、複数のメス猫から12頭の子猫が産まれて総数23頭となり、衛生的な環境の維持および適正飼養ができなくなった。
  6. 継続飼養に危機感を抱いた当事者が近くのボランティア団体に相談したことがきっかけとなり多頭飼育崩壊が発覚。この時点でボランティア団体が8頭の猫を引き取り、現場の猫は15頭となる。
  7. ボランティア団体に相談した結果「ボランティア団体の許容範囲内で少しずつ動物を引き出したり、譲渡の手助けはできるが、早急に全頭に対し手術費を工面することはできない。」との回答であったため、行政と連携して必要に応じた手助けをしつつ、不妊手術を円滑に進めていく方針を検討する方向となった。
  8. 当事者は建設関係の職に就いているが、コロナの影響もあって収入が激減しており、不妊手術の費用を捻出するのは難しい。また、オスメスを別々の部屋で飼育するよう指導していたが実行できていなかった。
  9. 行政が立ち入った際、著しく健康状態の悪い個体は見受けられなかったが、重度の血尿が出ている猫と瓜実条虫の寄生が蔓延している状態が確認された。
  10. 室内は掃除が行き届いておらず、フローリングの床や壁紙に糞尿や毛がこびりつき、ひどい悪臭が立ち込めていた。害虫の発生や周辺への悪臭被害等はこの時点で確認されず。
  11. 市内ボランティア団体等の収容能力にも限界があり、これ以上の個体数の増加を制御するため全頭に対して早急に手術を実施したく、どうぶつ基金へ支援を求めることとなった。
  12. 手術後、当事者自ら糞尿やゴミを廃棄して床掃除等を行って飼養環境を改善。手術前は、家全体を猫が自由に移動して不衛生な環境であったが、手術後は1階を人の居住スペース、2階を猫の居住スペース兼人の寝室としてケージやフード類を集約するなど整理整頓された。
  13. 手術後、猫は全頭当事者宅に戻っている。人慣れしていない猫を馴化させていきながら、引き出せそうな猫から順次ボランティアの協力のもと里親につなぐ予定。当事者は終生飼養の意思を示しており、里親が見つからない場合も最期まで責任を持って飼養を継続する。
手術日 オス メス 耳カットのみ
3月24日 10 5 0 15
10 5 0 15

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
手術日の日程調整をしている間に1頭のメスが5頭の子猫を出産してしまった。子猫5頭のうち、3頭は捕獲までに食い殺され、残った2頭はボランティアによって保護された。
1日で全頭の手術を終えることができ、追加入院費用等を最小限に抑えることができた点はよかった。しかし、ボランティアの収容能力には限界があり、猫の性質など総合的に鑑みると、新たな里親につなぐには時間を要することが危惧される。


どうぶつ基金スタッフコメント
猫が増えていく過程においても、当事者は不妊手術の必要性を感じていませんでした。20頭を超えてやっと危機感を抱き、自らボランティア団体へ相談しますが、その後、行政から雌雄を分けて飼育するよう指導を受けても実行していません。
そのせいで、手術までに1頭のメスが出産してしまい、3頭の小さな命が食い殺されるという悲惨な状況が発生しました。さらにもう1頭、手術時に妊娠しており堕胎することとなりました。当事者は命に対してあまりにも無責任です。
血尿が出ている猫がいたほか寄生虫も蔓延。人慣れしていない猫が多いことからも、適切な飼養がされていたか疑問符がつきます。15頭の猫は不妊手術を終えて現場に戻りましたが、行政には今後も指導を継続し、ボランティアと協力しながら猫の行く末をしっかりと見守っていただきたいと思います。


 

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