13_北海道室蘭市犬多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 

申請No.13(犬)
申請日:2021年5月12日
申請/実施責任者:室蘭市 地域生活課
場所:北海道室蘭市
居住者: 当事者本人(69歳、女、パート)、夫(69歳、警備業)、息子(41歳、自営(トリミング))、娘(39歳、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の犬の総数:17頭
手術日:7月13日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:12枚(申請時には12頭と把握)
手術頭数:10頭(総数17頭のうち、2頭は手術前に譲渡、5頭が高齢のため手術できず)

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

    1. 1993年にペットショップを開業。その時は飼い犬が4頭、販売用の犬が10頭いた。
    2. 繁殖しながら販売業をしていたが経営が苦しくなり、当事者の夫が10年前から出稼ぎに出るようになったところ、数が増えすぎ手に負えなくなってしまった。現在、販売業は廃業している。
    3. 近隣住民から悪臭に関する苦情が入るようになり、市が訪問したところ多頭飼育崩壊状態であることが発覚した。
    4. 2020年末よりボランティアの協力を得て内部の清掃及び犬の譲渡を開始。76頭いた犬は15頭までに減少したが、未手術の犬が残っていることから多頭飼育救済を申請。
    5. 病院まで遠方ということもあり、今回は病院の協力を得て当事者宅への往診というかたちで手術を行った。
    6. 申請時は手術対象となる犬の数を12頭と想定。手術前に2頭が譲渡されため手術予定は10頭のはずだったが、手術中に当事者に聞き取りを行ったところ、娘の部屋に5頭が隠されていたことが判明。現場の犬の総数は15頭となり、高齢により手術不可となった5頭を除く10頭に手術を行った。
    7. 15頭については引き続き当事者が飼育を継続する予定。現場の清掃や個体認識、譲渡、経過観察を動物愛護推進員に主体的に行ってもらうほか、福祉の観点からも定期的な観察が必要と考えている。
手術日 オス メス 耳カットのみ
7月13日 5 5 0 10
5 5 0 10

【現場写真(支援前)】
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76頭いた犬はボランティアさんたちが約1年年がかりで里親を見つけ、残り15頭を飼い主が飼うことになり、その手術をうけおいました。

【現場写真(支援後)】


理事長が視察しました。「地元ボランティアさんと行政の努力により、今回の出張手術がなされました。今後、当事者家族と犬たちのケアをして下さることになっています。本当に頭の下がる思いです。引き続きよろしくお願いします。」理事長

 


大門獣医が執刀 傷口が小さく丁寧な手術だと定評があります。

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
手術に至った点は良かったが、手術中に予定していなかった犬がいることが判明した。手術可能な犬はその場で対応していただけたものの、引き続き経過観察が必要である。
また、高齢とはいえ手術していない犬がいるため不安が残る。


どうぶつ基金スタッフコメント
今回の救済支援では、どうぶつ基金のスタッフも北海道へ出向き、立ち合いをさせていただきました。
まずは、ご協力いただきました病院の皆様、現場にてご対応いただきました室蘭市とボランティアの皆様にこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
発覚時から対応にあたってこられた行政、そして行政と協力して現場の清掃や犬たちのケア、譲渡活動に取り組んだボランティアの方々のご尽力によって、当初76頭いた犬たちは譲渡によって15頭にまで減っていました。大変なご苦労があったことと思います。

今回、手術中に5頭の犬が隠されていたことが発覚しました。しかし、これは多頭飼育崩壊の現場では決して珍しいことではありません。当事者の話を鵜呑みにせず、立ち入りの際は隅々までくまなく確認することが重要です。だからこそ、多頭飼育救済には行政の協力が必要不可欠なのです。
また、このケースはいわゆるブリーダー崩壊の現場です。まだまだ不十分ではあるものの動物愛護法が改正され、悪質な事業者の抑制を目的の1つとして数値規制も盛り込まれました。今回のような事態を防ぐためにも、全国の行政には、悪質なブリーダーやペットショップに対して厳格にご対応いただくことを求めます。


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