21_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.21
申請日:2023年6月23日
申請/実施責任者:鹿児島市生活衛生課
場所:鹿児島県 鹿児島市
居住者:当事者本人(61歳、女、無職)、甥(45歳、アルバイト)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:26頭
手術日:7月13日、14日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:26枚
手術頭数:26頭
協働ボランティア:NPO法人犬猫と共生できる社会をめざす会鹿児島

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 同居の甥が3年前に2頭、野良猫(子猫)を拾ってきた。その後、成長した2頭同士で繁殖した。屋内外飼養をしていたため、周辺の野良猫とも交配し、1年で約10頭、2年で約30頭まで増え、その後は繁殖と死亡で増減を繰り返していた。
  2. 県外在住の姪が当事者宅を12年ぶりに訪れ、荒れ果てた室内と多数の猫を発見。「猫を殺処分してほしい。」と姪から市に相談を受け、状況確認のために職員が当事者宅を訪問し発覚した。
  3. 申請までに室内の清掃とトイレの設置を指導した。
  4. 当事者本人は殺処分を望んでおらず、不妊手術をして飼い続けることで方向性が決まったが、当事者宅には経済的余裕がなく、甥には精神障害もあるため、当事者と甥のみで全頭の手術を実施するのは困難と判断し、申請を決定した。
  5. ごみや糞尿を清掃し、猫用トイレを複数箇所設置したことにより、衛生、飼養環境が改善し、臭いも軽減した。また、ノミの寄生により強い痒みを呈していたが、手術時のノミダニ駆除により、痒みの軽減が見られた。
  6. 猫は全頭手術済みで今後も当事者宅で飼養していく。
手術日 オス メス 耳カットのみ
7月13日 1 4 0 5
7月14日 13 8 0 21
14 12 0 26

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者は、無職で経済的な余裕がなく、多数の猫に不妊手術を実施できずにいたが、どうぶつ基金の支援を受け、短期間で全頭の手術を完了することができた。当事者宅の探知のきっかけは、姪からの殺処分の相談であったが、行政が介入して不妊手術をすることが決まったことに安堵し、引き続き当事者本人が飼養することで了承が得られた。今回の支援中に、生活保護を申請し、受給も決定したため、今後は適正な飼養環境を維持できるよう指導していく。


どうぶつ基金スタッフコメント
繁殖と死亡を繰り返していた状況だった、そこに当事者は問題意識を持っていたのでしょうか?親族からの相談がなければこのままの状況が続いていたのだと思います。今回支援の手が届いたことは猫にとって良かったと感じます。殺処分以外の解決方法がとられたことで、今後は適正な環境で大切に最後までお世話していただきたいと思います。


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