33_北海道岩見沢市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.33
申請日:2022年9月22日
申請/実施責任者:岩見沢市福祉事務所 保護課
場所:北海道 岩見沢市
居住者:当事者本人(72歳、男、無職)
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:35頭(40頭で申請するも捕獲時に35頭と判明)
手術日:10月21日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:40枚
手術頭数:33頭(2頭は幼齢のため未手術)
協働ボランティア:ツキネコ北海道

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 当事者によると、詳細な時期については不明だが、10年以上前に知人や友人から猫2頭をもらって飼い始めた。
  2. 知人や友人からもらう、飼っていた猫が出産する等により、飼い始めて3、4年経過したころから徐々に頭数が増え始めた。
  3. 最初は猫を手放すなどしていたが、法律が制定されてからは手放すことができなくなり、現在は30~40頭となっている。
  4. 当事者の生活保護受給開始に伴い、多頭飼育状態が発覚。
  5. 申請までに、これ以上の繁殖を防止して不妊手術を行うこと、猫の譲渡先を探すこと、衛生環境を整えること等を指導した。
  6. 大家から雪害および老朽化により住居として危険な状態であるため、雪が降る前に退去するよう求められているが、当事者の主治医によると「病状により単身での居宅生活は困難であり、施設入所を要する状態」とのこと。
  7. しかし、当事者には入院時に猫を世話してくれる知人や家族等がおらず、治療に専念できていない。また、不衛生な環境で生活を続けることは当事者にも猫にも良くないことから申請を決定。
  8. 自宅内がゴミ屋敷状態で正確な頭数確認ができず、40頭で申請するも捕獲時に35頭と判明。また、子猫はいないと回答していたが、捕獲当日に子猫がいたことも判明した。
  9. 当事者については転居し、子猫2頭を含む35頭はボランティア団体が全頭保護した。子猫2頭については幼齢のため未手術となったが、手術可能な時期にボランティアにて実施予定。
手術日 オス メス 耳カットのみ
10月21日 16 17 0 33
16 17 0 33

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
猫に怪我を負わせることなく、迅速に捕獲することができたが、活動中等の記録を残すことができなかった。


どうぶつ基金スタッフコメント
支援前の写真から現場の衛生環境の悪さが手に取るように分かります。このような環境から逃げ出すこともできず、どれだけ長い時間を過ごしてきたでしょうか。それを思うと心が苦しくなると同時に腹立たしい気持ちになります。当事者の転居によって35頭の猫は全頭ボランティア団体に保護されました(ボランティアが全頭保護する場合、どうぶつ基金では保護後の飼育環境を申請行政を通して必ず確認しています)。今後は譲渡先探しが行われることと思いますが、1頭でも多く新しい家族が見つかるよう願っています。
多頭飼育救済支援を通して実感すること、それは「命をあげる・もらう」があまりにも簡単に行われているということです。犬や猫と幸せに暮らすために飼い主が用意しなければいけないものは、お金・時間・気力・体力などたくさんあります。彼らが最期を迎えるその日まで自分が提供し続けることができるかどうか、今から飼う人はよく自分に問うてほしいと思います。


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