32_群馬県吉岡町多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 

申請No.32
申請日:2022年9月9日
申請/実施責任者:吉岡町 住民課
場所:群馬県吉岡町
居住者:当事者本人(66歳、男、養豚業)、配偶者(60歳、女、養豚業)、長男(34歳、食品製造業)、次男(32歳、養豚業)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:31頭(当初は41頭で申請)
手術日:10月1日
協力病院:ふー動物病院 群馬分院
チケット発行数:30枚(手術済み11頭を除く30頭分を申請)
手術頭数:20頭(支援時に猫の総数31頭であることが判明したため10枚が未使用となった)
協働ボランティア:NPO法人群馬わんにゃんネットワーク

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. もともとは、当事者の母が知人や友人から犬、猫を譲り受け、飼育しはじめた当初は犬2頭、猫5~6頭だった。
  2. 多頭飼育状態となったのは2007年頃からである。新築に移った際、それまで室内飼いだった猫を外飼いするようになり頭数が増加。同時期に餌を残飯からキャットフードに変えたことで、猫の栄養状態が良くなったことも要因の1つではないかと考えている。
  3. 隣人から「敷地内に猫が入り込み、網戸を引っ掻いたり、畑の植物の芽を掘り返したりするため困っている」との相談があり発覚。
  4. 衛生環境を改善するよう指導を行っていたが、ボランティア団体の活動やどうぶつ基金の存在を知り、事態解決のため申請を決定。
  5. 猫の総数41頭-手術済み11頭=30頭分のチケットを申請していたが実際の猫の総数は31頭だった。そのため、猫の総数31頭-手術済み11頭=20頭分のチケットを使用。10枚が未使用となった。
  6. 31頭の猫はすべて現場に戻り、当事者が継続して飼育する。
  7. 支援後は、定期的に清掃が行われており臭いも改善されている。猫の健康状態もよく、飼育環境は支援前と比べて改善された。
手術日 オス メス 耳カットのみ
10月1日 12 8 0 20
12 8 0 20

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
初めての事業だったため準備等に手こずったものの、ボランティア団体、動物病院の献身的な協力があって無事に事業をやり遂げることができました。


どうぶつ基金スタッフコメント
やはり、崩壊に陥ったきっかけは不妊手術をせずに猫を室外に出してしまったことでしょう。2007年頃、新築に移ったタイミングで室内外を行き来するようになり、その後繁殖が重なって31頭になっていました。2007年以降、今回の申請に至るまで、きっと多くの猫が恵まれない飼育環境のなかで亡くなっていったことと思います。
当初は当事者の母が猫のお世話をしていたとのことですが、動物を飼うことについて家族間で合意が形成されていない場合、お世話をしていた人間がいなくなった途端に問題が起こります。猫が何頭いるかも把握できていない、隣家の敷地に入っても気にも留めない、餌や水が十分に行き届いているかも気にしていない、そして生死にも興味がない…。他の家族にとって猫のことは他人事で無関心だから起こりうることです。
全頭に不妊手術ができ、猫の繁殖は止まりました。しかし、現場には31頭の猫が残ります。この支援を通して当事者に飼い主としての自覚が生まれ、その責任を果たしてくれることを望みます。そのためにも、行政には今後も継続して関わっていただきたいと思います。


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