島根県出雲市犬多頭飼育崩壊 救済事業に関する質問への回答

出雲市で実施した犬多頭飼育崩壊 救済事業の内容(部外者からの「妊娠した犬の手術中止及び譲渡」要請をお断りしたこと)について、どうぶつ基金お問い合わせフォームよりご質問をいただきましたので、下記に経緯と事実関係をご説明いたします。

※どうぶつ基金へのご意見・ご質問はホームページ内のお問い合わせフォームからのみ受け付けておりま
す。
ご寄付の大半を獣医療に使うため、最小限の人数でSNS等を管理しております。SNS等のメッセージ
及びコメントで個々のご質問にご回答することは多くの時間を要するため、ご容赦いただきますようお
願い申し上げます。


執刀医:大西獣医師

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【経緯】
11月10日 午前9時頃

出雲保健所に愛護団体を名乗る当該人物から「妊娠中の犬の手術中止及び譲渡の要請」があり、決定権のない行政職員が誤って不妊手術前の譲渡を承諾すると当該人物に返答していたこと、当該犬の認識タグに「手術なし」と記入したことについて、保健所職員から報告を受けました。
そこで、本事業の主催者「どうぶつ基金代表者」、事業申請者「島根県行政担当者」、島根県行政のもと本事業に協働する地元ボランティア団体「島根動物愛護ネットワーク代表者」および「アニマルレスキュードリームロード代表者」「どうぶつ基金の山口武雄獣医師」に合意内容の確認が行われました。

結果、
1. 当該人物へ妊娠犬を妊娠中の状態で譲渡することをお断りすること
2. 当該犬の飼い主(所有者)および行政の申請通り堕胎を伴う不妊手術をすること
に全員が合意しました。

その後、ケージにつけられたタグの内容を修正し、犬2頭を手術室に搬入しました。
(この2頭のうち実際に妊娠していたのは1頭でした。)
状態の悪い犬や妊娠中の犬は手術のリスクが大きく、一刻も早く不妊手術を行い、経過観察を一日でも多くとる必要があることから、獣医が当該犬の手術順番を最前列に移動することを指示。ケージを移動して絶対安静としました。
※これは、どうぶつ基金が出張手術で行う通常通りのルーチン作業です。
午前11時頃
粛々と不妊手術や獣医療が行われている手術棟(関係者以外立ち入り禁止地域)に、当該人物が無断侵入してきました。絶対安静の手術会場(保健所内の愛護棟)で、当該人物が「どうぶつ基金の責任者を出せ」といった旨を大声で発言するなどしたため、手術と他の獣医療を中断せざるをえない事態に陥りました。

手術前日にもどうぶつ基金のゼッケンをつけていない部外者が無断侵入し、禁止されている写真撮影や餌やりを行っていたことから「どうぶつ基金のゼッケンをつけていない方は部外者とみなしますので退室願います。」と当該人物に説明し、退室をお願いしました。

その後、決定権のない行政職員が犬の飼い主(所有者)の承諾なく、妊娠中の犬を未手術で当該人物へ譲渡することを承認したことは、職員の勘違いによる間違いであった旨を行政職員から当該人物に説明。「当該人物は納得されました。」と、保健所側からどうぶつ基金に報告がありました。
この際、行政職員からどうぶつ基金に「本件に決定権のない行政職員が、一頭でも犬の数を減らせた方が良いという思いから、誤って当該人物へ手術前に譲渡すると言ってしまいました。ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません」という旨の謝罪がありました。

※ どうぶつ基金理事長、および獣医療責任者の山口獣医師はこれまで当該人物とは一切面識はなくお話もしておりません。


怪我、皮膚病、遺伝的疾患、栄養失調
部外者による妊娠した犬の手術中止及び譲渡要請をお断りした理由

  1. 本事業は島根県行政及び多頭飼育当事者(犬の所有者)から、事業の主催者である「公益財団法人どうぶつ基金」に申請され正式な契約のもと、関係者全員の合意に基づき実施されている公益事業である。
  2. 合意事項には「全頭の不妊手術」「妊娠している場合は不妊手術時に堕胎する」ことが明記されている。
  3. 10頭の妊娠犬の多くは老犬や激やせの状態であり、獣医師によって、これまで何度も妊娠を繰り返した形跡が確認された。同時に、出産及び出産後の仔犬の世話や授乳は、衰弱を進めて死亡する可能性が高いと診断された。

以上

劣悪な環境下で妊娠と出産が連続して行われたと診断。産まれたての子犬は飢えた犬に食べられ、またすぐに交尾が行われていた。視察時にもあちこちで交尾が繰り返されていた。

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手術前日の深夜に就寝中の獣医師に当該人物と思われる者からメッセージが入り、獣医師はその着信音で起こされました。獣医師は、万全の状態で手術に臨むため体調管理に気を配っております。どちら様におかれましても、このような行為はお控えください。
※お問い合わせフォームより、獣医にメッセージが入った時間について質問がありました。獣医に確認したところメッセージを受信したのは獣医が就寝中の深夜だった事を確認しましたので当該部分を訂正しました。

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主要スタッフが全員事業に参加しており、13日の夜遅くに帰宅しました。ご質問者の皆様への回答が遅れましたこと、この場をお借りして心よりお詫び申し上げます。

どうぶつ基金へのご意見・ご質問は、ホームページ内のお問い合わせフォームからのみ受け付けております。SNSでのメッセージ及びコメント欄からのご質問にはお答え致しかねますので、何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。

なお、本件に関する回答は今回をもって最後とさせていただきます。ご了承ください。

どうぶつ基金事務局

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