54_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済レポート(行政枠)  

申請No.54
申請日:2025年1月28日
申請/実施責任者:鹿児島市 生活衛生課
場所:鹿児島県 鹿児島市
居住者:当事者本人(77歳、女 無職)、配偶者(77歳、無職 入院中)、子(49歳、女 飲食業)
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):27頭(13頭)
手術日:2月10日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:25枚(手術済み2頭を除く25頭分を申請)
手術頭数:25頭
協働ボランティア:NPO法人犬猫と共生できる社会をめざす会鹿児島 

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 10年前に1頭の野良猫を保護して飼い始め、その後も数頭の野良猫を保護して飼育していた。
  2. 雌雄で部屋を分けるなどしていたが不完全であったため繁殖を繰り返していた。ここ1年で4頭のメスが計20頭の子猫を出産し、現在27頭となっている。
  3. 県外から一時帰省した孫が、猫の頭数が増えている状況に気づき、行政に相談したことで発覚。
  4. 当事者一家は多頭飼育の状態に危機感を持ちながらも、経済的な理由から不妊手術を実施できず、繁殖を繰り返す多数の猫と生活している。当事者は高齢で夫は現在入院中、猫の頭数も多いことから、当事者と娘だけで全頭の手術を実施することは困難と判断し、申請に至る。
  5. 手術済みの2頭を除く25頭分のチケットを申請し、全頭手術済みとなった。手術後も猫の健康状態に変化はない。当事者が引き続き27頭を飼養するが、支援終了時点で生後3か月以下であった子猫4頭については、里親探しを始める予定である。
  6. 室内やトイレを清掃したことにより臭いが軽減したほか、今後の管理方法を指導したことで飼養環境が改善した。
手術日オスメス耳カットのみ
2月10日1015025
1015025

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
高齢の当事者には経済的な余裕がなく、多数の猫の不妊去勢手術を実施できずにいたが、どうぶつ基金の支援を受けたことで、短期間で全頭の手術を実施することができた。
今回の支援で繁殖の恐れがなくなったことに加え、今後はボランティアが子猫の里親探しの支援をすることになり、当事者も安堵している様子だった。


どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育崩壊の問題はメディアで取り上げられることも多く、行政に相談したお孫さんも「まさか」というお気持ちだったのではないでしょうか。今回の支援で現場の猫はすべて手術済みとなり、ボランティアの協力のもと子猫4頭の譲渡先探しが行われます。野良猫の保護という優しい気持ちから始まった彼らとの暮らしを、今回の支援をきっかけに当事者家族が立て直してくれることを願っています。
多頭飼育崩壊を防ぐ方法はたった1つ、不妊手術しかありません。TNRにも通じることですが、これほどシンプルなことがこれほど難しいのはなぜなのか?経済的、心理的、思想や信条などさまざまな要因があり、一筋縄ではいきませんが、そのしわ寄せを受けるのは動物です。あきらめずに情報発信や啓発、そして支援の手を差し伸べ続けることで社会全体の意識を変えていかなければいけません。


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