23_秋田県能代市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.23
申請日:2025年8月7日
申請/実施責任者:能代市 環境産業部 環境衛生課
場所:秋田県能代市
居住者:当事者本人(77歳、女、無職)、配偶者(77歳、男、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):30頭(0頭) ※当初25頭で申請するも実際は30頭であった。
手術日:8月29日
協力病院:八戸のらねこ病院
チケット発行数:24枚(手術済み1頭を除く24頭分を申請)
手術頭数:24頭
協働ボランティア:能代さくら猫サポーターズクラブ

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 当事者は、子供の頃から家の近くにある堤防に捨てられた猫を保護して飼っていた。
  2. 最初に飼育していた頭数は定かではないが、不妊手術をしていなかったため繁殖を繰り返して現在に至る。頭数が急増したのは2024年頃のことである。
  3. 協働ボランティア団体が近隣を訪れた際、当事者宅の多頭飼育状態を発見して市に連絡したことにより発覚。
  4. 申請に至るまでに、不妊手術の実施、適切に管理できる頭数での飼育のほか、夏場にクーラーをつけず窓を閉め切って飼育していたため猫の水入れを増やすこと、扇風機の設置、網戸の取付について指導を行った。
  5. 当事者より「生活が苦しく飼育頭数を減らしたいが、手術費用が捻出ができない」との相談があり、協働ボランティア団体の代表者から全面的に協力するとの申し出があったことから申請を決定。
  6. 当初、現場の猫25頭のうち手術済みの1頭を除く24頭分を申請するも、支援時に新たに5頭が発見され総数は30頭となった。予定していた24頭についてはチケットによって手術済みとなり、手術前と変わらず穏やかに過ごしている。
  7. 支援後、当事者自ら衛生環境の改善に努めており、悪臭や汚れなどの問題はなくなった。手術前は猫のトイレを新聞紙で代用していたが、手術後は大きいサイズのトイレを6個設置した。
  8. 30頭のうち、手術済みの5頭をボランティアが引き取った。残る25頭は当事者が飼養を継続するが、里親探しを行って飼育頭数を徐々に減らしていく。未手術の5頭については2度目の申請を検討している。

手術日オスメス耳カットのみ
8月29日1212024
1212024

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
相談を受けてから、多頭飼育救済支援への申請~手術実施までスムーズに進めることができました。
当事者宅の清掃や猫用トイレを複数設置するなどして飼育環境も改善されています。改善後の飼育環境を継続するためにも、協働ボランティアの方々と今後も定期的に訪問する予定です。また、当事者が高齢夫婦であることから、生活支援や介護予防等を目的として高齢者福祉関係の職員も継続して訪問しています。
一連の動きを円滑に進められたことによって適切なアフターケアができていますが、反省点としては、申請時の頭数確認では把握できなかった5頭の猫が新たに発見されたことです。この5頭については、2回目の申請を検討しています。


どうぶつ基金スタッフコメント
全頭手術済みとはなりませんでしたが、新たに発見された5頭については2回目の申請が検討されており、着実に解決に向かっています。猫と人が幸せに暮らすためには、適切にお世話ができる頭数に抑えること、そのためにも不妊手術を行うことが必要です。残る5頭についても確実に実施をしていただきたいと思います。
当事者は、子供の頃から捨てられた猫を拾って飼っていたとのこと。きっと優しい方なのだろうと思いますが、猫を取り巻く環境は昔と大きく変わっています。今回の支援は、当事者にとって「猫を飼うこと」の認識が変わる大きなきっかけになったのではないでしょうか。支援後は清掃にも取り組んでおり、飼養環境も改善しているとのことです。行政やボランティアとの繋がりもでき、今後も定期的な訪問が行われます。当事者をサポートする体制ができ、どうぶつ基金が目指す「人と動物を同時に救う」支援のかたちに近づいていると感じています。


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