20_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.20
申請日:2025年7月30日
申請/実施責任者:鹿児島市 生活衛生課
場所:鹿児島県鹿児島市
居住者:当事者本人(55歳、女、無職)
居住環境:貸家/アパート、集合住宅
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):7頭(5頭)
手術日:8月25日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:7枚
手術頭数:7頭
協働ボランティア:なし
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2024年12月に2頭の野良猫を保護した。
- 屋内で飼育していたが、1頭が逃げてしまった際に妊娠。その後、子猫が6頭生まれたが、そのうち1頭は母親が食べてしまった。現在は成猫2頭と子猫5頭の計7頭がいる。
- 当事者が子猫の引き取りについて市へ相談したことから多頭飼育が発覚。
- 子猫の里親探しを行うよう助言したが、<当事者は一人暮らしで生活保護を受給中であり経済的な余裕がない。精神的にも不安定な状態であることから、当事者だけで全頭の不妊手術は困難と判断、申請に至る。
- チケットを使用して全頭が手術済みとなり、トイレも3個→4個に増設したことで飼育環境も改善した。
- しかし、手術後に当事者の精神状態が悪化。猫同士の折り合いが悪くなってしまった様子で、連日お世話の仕方について市に相談の電話がかかってきている状況であった。
- 当事者は、交通手段がない中で飼い主募集の貼り紙を病院に配って回るなど、これまでも熱心に取り組んでおり、市としても市のHPに掲載するなど協力しているが、なかなか貰い手が見つからない。そのことも精神状態悪化の原因の一つであると考えられた。
- 上記のような状況で当事者から子猫数頭を引き取ってほしいと相談があったため、メス3頭は当事者宅で飼養を継続し、オス4頭をセンターで引き取って譲渡対象猫として飼い主を募集していくこととなった。
- センターで引き取った4頭のうち3頭はすでに新しい飼い主が見つかった。引き続き、残る1頭についても積極的に飼い主の募集を行っている。この1頭は殺処分の対象とはならず、里親が見つかるまで収容を続ける。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 8月25日 | 4 | 3 | 0 | 7 |
| 計 | 4 | 3 | 0 | 7 |
【現場写真(支援前)】


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者は経済的余裕がなく、多数の猫の不妊手術を実施できずにいたが、どうぶつ基金の支援を受けたことで、短期間で全頭の手術を実施することができた。
今回の支援で繁殖の恐れがなくなり、当事者も安堵している様子だった。
どうぶつ基金スタッフコメント
支援前も飼養環境は比較的きれいに保たれており、当事者ができる限りのお世話をしていたことがうかがえます。だからこそ、最初に不妊手術をしていなかったことが悔やまれます。
今後の繁殖の不安がなくなり、里親探しにも熱心に取り組んでいたとのことでしたが、当事者の精神状態が悪化したとによって4頭がセンターに引き取られることになりました。引き取られた4頭のうち3頭はすでに譲渡され、残る1頭についても譲渡先探しが続けられています(どうぶつ基金では、支援後の猫が保健所やセンターに引き取られる場合、譲渡先が見つからなくても殺処分しないことを確約していただいています)。センターで新たな飼い主を待っている1頭にも、当事者のもとに残った3頭にも、今後が穏やかで幸せでありますようにと願わずにはいられません。



