5_福岡県久留米市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.5
申請日:2024年4月16日
申請/久留米市 保健所衛生対策課
場所:福岡県久留米市
居住者:当事者本人(52歳 女 無職)、息子(10歳 小学4年生)
居住環境:貸家/集合住宅、アパート
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):18頭(6頭)(当初15頭としていたが出産により18頭となった)
手術日:6月3日、6月7日
協力病院:おおき犬と猫の病院
チケット発行数:12枚(申請時点で未手術の猫12頭分を申請)
手術頭数:12頭
協働ボランティア:個人ボランティア

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 6年前、1頭の飼い猫をもらったのが飼育の始まり。
  2. アパートに集まってくる野良猫の子猫2頭を保護し、3頭の間で繁殖して3年で15頭にまで増えてしまった。
  3. ボランティアからの情報提供により多頭飼育であることが発覚。飼育状況の確認と繁殖制限の必要性について指導を行った。
  4. 狭小の市営住宅で玄関前でも臭気がきつい状況。2階部分が猫用の部屋で、閉じ込めたままではないがケージ4台に複数頭ずつ入れられている。糞尿の極端な堆積はなく虐待状況とまでは認められないが、今後さらに繁殖が進むと状況が悪くなると思われる。生活保護受給中で、自身で不妊手術を行う経済的余力がなく、今後も繁殖により頭数が増えることが見込まれたため、多頭飼育救済支援を申請。
  5. 協働ボランティアとともに、トイレの数を増やして餌場や水場を清潔に管理する、動物愛護法に基づいて自由な空間を作るなど、飼育環境を整えた後に支援を実施した。
  6. 当初の総数15頭(うち子猫3頭)の内訳は、手術済み2頭+栄養状態が悪くボランティアが保護した1頭(子猫)+未手術12頭である。その後、支援前に1頭が子猫4頭(うち1頭は死産)を出産したため総数は18頭となった。生まれた子猫3頭は離乳後にボランティアを通じて譲渡された(譲渡先で手術予定)。
  7. 申請時点で栄養状態が悪くボランティアが保護した1頭についても、無事に手術可能な大きさに生育したため、ボランティアの費用負担により手術済みである。この1頭とすでに譲渡された子猫3頭を除く14頭が、現在も当事者宅で暮らしている。
  8. 猫部屋の臭いのついた物品を全て撤去し、部屋を大掃除したことで臭いの軽減が図られた。特定の時間帯以外ケージに入れられていた状態から、常に部屋内を自由に動き回れるようにしたことでストレスが軽減でき、より良好な健康状態が維持できる環境ができた。古いケージを全て撤去し、新たなトイレ付きのケージ1台とキャットタワー2台にしたことでスペースをより広く確保。押入れの下段をトイレスペースとして3台設置し、上段に休息用のマットを設置してフリースペースとすることで、飼養環境の改善が図られた。
  9. 当事者とは問題なくコミュニケーションがとれており、生活保護以外に福祉的な支援が必要な状況ではない。14頭は当事者が飼養を継続するが、ボランティアの協力を得て譲渡によって頭数を減らしていく。
手術日オスメス耳カットのみ
6月3日4206
6月7日3306
75012

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
多頭飼育救済に関し多大なるご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
今回は協働ボランティアのご努力をはじめ、当事者も適正飼養の指導に従っていただいたことで、円滑に進んだと感じています。猫部屋の環境がとても良い状況に改善できたと思っています。


どうぶつ基金スタッフコメント
支援前、窮屈なケージで飼育されていたことから、トイレの数を増やすこと、餌場や水場を清潔に管理すること、動物愛護法に基づいて自由な空間を作ることを事務局から申し入れをさせていただきました。行政はじめ、協働ボタンティアの方が是正に前向きに取り組んでいただいたことで、飼育環境は劇的に改善されています。
手術前に子猫が3頭生まれてしまうなど予想外のこともありましたが、4頭が譲渡され、当事者宅に残る14頭はすべて手術済みとなりました。今後も地道に譲渡先探しを続けていただき、適正な頭数まで減らすことができれば、さらに飼育環境は良くなるでしょう。


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