3_群馬県安中市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.3
申請日:2024年4月2日
申請/実施責任者:安中市 環境政策課
場所:群馬県安中市
居住者:当事者本人(79歳 女 パート)、息子(57歳 無職)
居住環境:一戸建て/持ち家
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):17頭(0頭)(13頭で申請するも捕獲時に17頭と判明)
手術日:4月27日
協力病院:ふー動物病院 群馬分院
チケット発行数:13枚
手術頭数:13頭
協働ボランティア:群馬わんにゃんネットワーク

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 6年ほど前、2頭のヒマラヤンをペットショップから購入。
  2. 2頭は室内飼育をしていたが、その後外猫3頭に餌を与え始めた。その外猫3頭を自宅に入れて飼うことになったが、不妊手術をしなかったため繁殖して5年ほどで増加した。
  3. ボランティアが別件で近くの住宅を訪問した際、近隣住民から当事者宅が多頭飼育をしているという情報提供があった。ボランティアが現場を確認したところ、すぐにでも不妊手術が必要な状態で、当事者からもこれ以上飼育できないと相談を受けた。
  4. 不妊手術をしていない猫を自宅に入れないように指導を行う。しかし、糞が溜まっている場所もあって猫の管理が行き届いていないこと、さらに猫が増えることは猫や当事者にとって好ましくない状況であることを考慮し、申請に至る
  5. 猫の総数は12頭~13頭という当事者の自己申告により13頭分のチケットを申請したが、実際は17頭であることが判明。現場確認で13頭であることを確認していたが、実頭数を把握できていなかった。2階に猫はいないと入室を拒否されたことの他、物陰や奥の方に逃げ込んで隠れていた、外に逃げ出して戻ってきた等の可能性がある。
  6. 17頭のうち1頭は手術前日に出産していまい手術不可となった。生まれた子猫3頭と母猫はボランティアによって保護され、母猫は子育て完了後に不妊手術をしてから譲渡予定、子猫3頭は里親宅にて適切な時期に不妊手術をしてもらい追跡調査を実施する予定。
  7. 保護された母猫1頭を除く16頭のうち13頭はチケットにより手術済み。チケットが不足した3頭(オス1頭、メス2頭)はボランティアが費用を負担して手術を行った。
  8. 16頭は当事者宅に戻り、このまま同じ場所に住み続ける。もともとトイレは2個設置されていたが、ボランティアに4個支援していただき6か所に設置された。清掃を行って悪臭が軽減し、運動スペースがより広くなり、猫の健康やストレスに問題はない様子である。
手術日オスメス耳カットのみ
4月27日85013
85013

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
迅速な不妊手術や全て捕獲できたことなど、動物愛護団体と連携をとり進めることができた。しかし初動で確実な頭数を把握できなかったことが反省点である。


どうぶつ基金スタッフコメント
行政のコメントにもあるように、最初の頭数確認の時点で当事者の自己申告を信用することはとても危険です。特に、本件のように立ち入りを拒否する部屋がある場合は注意が必要です。過去の支援事例においても、当事者が特定の猫を隠す、虚偽の頭数申告をするということは多々あります。多頭飼育救済申請制度の利用をお考えの他の行政におかれては、頭数確認はすべての部屋に第三者が立ち入ること、これを徹底していただければと思います。
今回、チケットが不足した猫3頭についてはボランティア団体の費用負担により手術が行われ、全頭手術済みとなりました。支援前日に出産した猫については、子猫と一緒にボランティア団体に保護されましたが、残る16頭の猫はこれからも当事者と暮らします。猫たちに対する自身の責任を自覚し、猫たちが穏やかに暮らせるよう努力してほしいと思います。


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