9_鹿児島県日置市多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 

申請No.9
申請日:2022年5月25日
申請/実施責任者:日置市
場所:鹿児島県 日置市
居住者:当事者本人(女、一人暮らし、87歳、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:20頭
手術日:7月13日、14日、8月18日、27日、30日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:20枚
手術頭数:20頭
協働ボランティア:さつま・しっぽの会

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 飼い始めた時期は不明だが、数十年前位から野良猫等に餌をやり始めた。当初の飼育頭数は2~3頭とのこと。
  2. 当事者は猫を溺愛しており、野良猫を含め多くの猫を屋外で飼育。すべて未手術で頭数がますます増える環境である。
  3. 猫の糞尿の匂いや畑の掘り起こし、通学路で児童が糞を踏んでしまう等の相談が、地域住民や民生委員から市に寄せられたことにより発覚。
  4. 当事者に対して多頭飼育指導を行った保健所から、頭数をこれ以上増やさないよう早急な対策が必要である旨の助言があった。当事者にも不妊手術や近隣トラブルを解決したい意向があったことから、当事者の経済状況なども考慮して申請を決定した。
  5. 今回の支援で20頭すべてが手術済みとなる。19頭は現場に戻り、今後も当事者が飼育を継続する。
  6. 大きなヘルニアがあった1頭(子猫)については、標準よりかなり小さく、現場に戻すことは難しいとの判断からボランティア団体が保護。ヘルニアについては、不妊手術時に当事者の費用負担にて治療済み。しばらく経過観察のうえ、譲渡できる状況であれば里親探しを検討する。
  7. 餌置きやトイレが設置され、しっかり清掃されているので臭いもそれほど感じられない。多頭飼育ではあるものの餌をしっかり食べさせているため猫の健康状態は良好。室内外を自由に行き来できる環境で猫のストレスもない。
  8. 支援前も飼育環境は悪くなかったが、支援後もその環境は維持されている。
手術日 オス メス 耳カットのみ
7月13日 5 9 0 14
7月14日 1 2 0 3
8月18日 0 1 0 1
8月27日 1 0 0 1
8月30日 0 1 0 1
7 13 0 20

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
どうぶつ基金の無料不妊手術チケットのおかげで、現場の猫20頭を手術することができました。当事者や相談者(民生委員など)、協働したボランティアもほっとしています。本当にありがとうございました。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は猫が好きで、野良猫への餌やりも行っていたことから猫が集まりやすい環境であったと想像できます。当初は数頭を飼育していたとのことですが、そのような環境で未手術であればあっという間に頭数は増えていきます。申請時の頭数は20頭でしたが、室外飼育であったがゆえにこの頭数で済んでいたのかもしれません。この20頭の後ろには多くの亡くなった猫がいたでしょう。
近隣住民や民生委員からの相談で発覚した本件は、当事者の協力もあり、良い形で終えることができました。ただ、当事者のこれまでの行動を考えれば、現場に新たな猫が増えないよう注意しなければいけません。行政には、ボランティア団体等の力も借りながら、定期的な状況確認とサポートを継続していただきたいと思います。


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