52_千葉県君津市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.52
申請日:2021年11月22日
申請/実施責任者:君津市 保健福祉部高齢者支援課地域包括支援
場所:千葉県君津市
居住者:当事者本人(85歳、女性)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:62頭(申請時は61頭と把握していたが、捕獲時に62頭と発覚)
手術日:1月14日、16日、22日
協力病院:ふー動物病院 袖ヶ浦
チケット発行数:60枚(手術済み1頭を除く60頭分を申請)
手術頭数:45頭(支援実施前に譲渡が決まり、里親の意向により15頭が耳カットなしの手術を受けたため)
協働ボランティア:富津ねこネット

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 2015年頃、知人から猫を1頭譲り受けた。
  2. その1頭を飼い始めてから徐々に頭数が増えてくるも、10頭程度の頭数でこれまで管理できていた。しかし、当事者が高齢化に伴い認知症が疑われる状態となり、猫たちの管理ができなくなってきた。
  3. 2021年の夏頃、多頭飼育状態に気付いた当事者の長女が市へ情報提供。それを受けて地域包括支援センターが訪問し、行政が多頭飼育を把握することとなった。
  4. 猫の頭数が多いこと、当事者が不妊手術費用を負担できないことから、一斉に手術しないと解決しないと考え多頭飼育救済の申請を決定。
  5. 手術に備えて体力をつけるためにフードを支援したり、餌のやり方をアドバイスしていたこともあり、栄養状態の悪い猫はいなくなった。
  6. 支援実施前に15頭の譲渡が決まり、里親の意向により耳カットなしの手術を受けたためチケット15枚は使用せず。
  7. 手術後は39頭の猫が当事者宅に戻り、残り23頭をボランティア団体が保護。当事者宅は物やゴミを片付け、床が見えるようになって臭いも軽減された。また、トイレの数を増やして寝床になる段ボール箱のベッドを複数設置。頭数が減ったことにより飼育環境も良くなった。
  8. 当事者は申請時独居であったが、一人暮らしが困難となったため現在は長男宅で生活している。
  9. 市内の別地域で生活している当事者の長女が、現場に通って残った猫たちのお世話を継続するが、順次、保護・譲渡する予定である。
  10. 室内外飼育であることや猫の状態から、一度に捕獲しなければ残りの猫が捕まえづらくなる状況であり、病院と協議のうえ、1月14日についてのみ往診による手術となった。
  11. 当初61頭と把握していたが捕獲時に62頭と判明。手術済み1頭+チケットによる手術45頭+ボランティアの費用負担による手術16頭=全62頭が手術済みとなった。ボランティア団体が保護した23頭のうち16頭はすでに譲渡されている。
手術日 オス メス 耳カットのみ
1月14日 16 26 0 42
1月16日 1 1 0 2
1月22日 0 1 0 1
17 28 0 45

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
一人暮らし高齢者のケースであったが、多頭飼育崩壊の状態であることに気が付くのが遅れ、対応も遅くなってしまった。
今回のケースで猫が数十頭も繁殖する事を知ったので、今後は高齢者の自宅訪問をした際に未手術猫が多数いるのを発見したら、少ない頭数のうちに全頭手術するように促す必要があると思った。
初めての取り組みだったが、ボランティアと連携がうまくいき、全頭の手術を完了できた。


どうぶつ基金スタッフコメント
日本は世界でも類を見ない超高齢化社会であり、このようなケースは全国に数えきれないほどあると想像できます。
認知症になる可能性は誰にでもあり、そうでなくとも体力や気力などの衰えから、それまでできていた犬や猫のお世話ができなくなることもあります。それどころか、本人の生活もままならなくなるでしょう。
超高齢化社会の日本だからこそ、余計に福祉行政と動物愛護行政の協力が必要です。
今回は、離れて暮らす当事者家族(長女)が異変に気付き、市に連絡したことから迅速な支援・解決につながりました。今回のようなケースでは、最悪の場合、猫たちは全頭行政に引き取られ殺処分となることもあります。そのようなことになれば、当事者の精神的負担は計り知れません。
命を生かす方向で解決を模索していただいた行政、捕獲・搬送や保護・譲渡にご尽力いただいたボランティア団体、往診での手術にご協力いただいた協力病院に、それぞれ感謝を申し上げたいと思います。


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