滋賀県草津市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)㉞

申請No.34
申請日:2020年11月25日
申請/実施責任者:草津市 生活安心課
場所:滋賀県草津市
居住者:当事者(74歳、女)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:44頭(うち19頭はボランティア団体の費用負担により手術済)
手術日:12月20日
協力病院:京都ぜろの会
チケット発行数:25枚
手術頭数:25頭

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. 自宅敷地内に入ってきた数頭の野良猫に餌やりを始めたが、不妊手術を施すことなく餌やりを続けたため増えていった。
    2. 猫はほとんど室内に入ることがなく外飼いの状態。その後も繁殖を繰り返し、数年間で当事者では管理できない頭数にまで増えてしまった。
    3. 2019年から支援に入っているボランティア団体より、頭数が多く不妊手術が追い付かないと相談があり多頭飼育崩壊が発覚。未手術の猫から繁殖している状態だった。
    4. どうぶつ基金の無料不妊手術チケットを利用することでボランティア団体が手術できなかった猫に不妊手術を行うことを決定。ボランティア団体は猫の捕獲や動物病院までの運搬、里親探し等を行い、行政は当事者への支援の検討を行うことで、役割分担して取り組んだ。
    5. 手術後は餌やトイレの管理がきちんと行われるようになり、当事者宅の衛生環境が改善した。
    6. 先にボランティア団体により手術した猫19頭は、ボランティア団体によって保護されている。
    7. 今回手術した猫たちは当事者宅に戻ったが、成猫19頭は当事者が最期まで責任を持って飼育を継続。子猫6頭については里親探しを行う。
手術日 オス メス 耳カットのみ
12月20日 10 15 0 25
10 15 0 25

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
【猫について】
当事者は猫を外飼いしていたため飼い猫と野良猫の区別が難しく、飼い猫の把握に時間がかかってしまった。しかし、ボランティア団体の協力により、飼い猫全頭に手術を行うことができ少し安心しています。当事者には、今後は必ず室内で飼育するよう指導しました。

【当事者について】
当事者は、現在のところ健康面でも経済面でも行政支援の対象ではありませんが、今回の多頭飼育崩壊の相談をきっかけにボランティア団体や行政とつながりができたことにより、何かあったときに相談できる関係が築けたと考えています。


どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育崩壊がすでに起きている場合、短期間で(できれば一度で)全頭を手術することが重要です。少しずつ手術していたのでは、猫の繁殖スピードに追い付きません。このケースでも、2019年からボランティア団体が介入して支援を行っていたものの、不妊手術が追い付かずいたちごっこになっていました。
支援が決定したことで、ようやく全頭不妊手術済みとなりましたが、これで解決ではありません。今回の件を通じて築かれた行政・ボランティア団体・当事者間のつながりを決して断ち切らず、見守りと適正飼育の指導を続けていくことが必要です。


2020年度 多頭飼育救済支援実績はこちら
多頭飼育救済に関するお問合せはこちら

最近の投稿
  • 4_青森県五戸町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
  • 19_鹿児島県霧島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
  • 20_北海道苫小牧市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
  • 7_鹿児島県霧島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計