43_千葉県香取郡多古町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)同案件2回目

申請No.43
申請日:2021年10月4日
申請/実施責任者:多古町 生活環境課
場所:千葉県香取郡多古町
居住者:当事者本人(男、70歳、会社員)、母(女、93歳、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:6頭
手術日:2021年12月28日
協力病院:ふーどうぶつ病院 袖ヶ浦
チケット発行数:10枚(当初、猫の総数10頭との申請であった)
手術頭数:6頭(申請数より実際の頭数が少なかったため4枚未使用)
協働ボランティア名:個人ボランティア

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 1回目の支援で現場の猫は全頭手術済みとなったが、保護場所となっていた家の壁に穴が空いており手術済みの猫が逃げてしまった。その他の猫はボランティア団体が保護した。
    ※多古町1回目レポートはこちら
  2. 逃げた猫を捕獲するために外での餌やりを始めたことをきっかけに、新たに別の猫が増える結果となってしまい2回目の支援に至った。
  3. 申請時に猫の頭数を正確に把握できず多めに申請、実際には6頭であった。
  4. 6頭すべて手術済みとなり、ボランティアが全頭保護した。今後は、ボランティアにて譲渡先を探す予定である。
  5. 脱走した手術済みの猫は未だ発見されていない。当事者宅周辺では手術済の猫は数頭しか見当たらず、どこかに行ってしまったものと思われる。
  6. 1回目支援後に衛生環境は改善されており、大きな変化はない。
手術日 オス メス 耳カットのみ
12月28日 4 2 0 6
4 2 0 6

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
今回の申請で、確認していた猫をすべて手術し、引き取りをすることができた。
捕獲の際、前日の餌やりをやめるなど捕まえやすい対応をしなかったため、捕獲に手間がかかってしまった。


どうぶつ基金スタッフコメント
このケースにはいくつもの問題が隠れています。
1つ目は、猫の管理の問題。
前回、現場の猫全頭を手術したにもかかわらず、保護場所の壁に穴が開いていたため手術済みの猫が脱走。脱走した猫を捕まえようとしているうちに当事者が新たな猫を招き入れてしまう結果となりました。本末転倒と言うしかありません。
2つ目は、飼い猫と飼い主不明猫の区別の問題。
逃げてしまった手術済みの猫を呼び寄せるための餌やりが、結果的に2回目の申請へとつながりました。新たに住み着いてしまった猫6頭は当事者の飼い猫であると申請されていますが、当初から当事者には自分が飼い主であるとの自覚があったのでしょうか。何度も書いてきましたが、餌をあげている=自分の猫、ではありません。餌をあげていることを理由に飼い主としての責任を押し付けることがないよう正確な状況判断が求められます。
3つ目は、多頭飼育現場からの全頭保護の是非。
1回目の支援時のコメントでも記載していますが、多頭飼育救済は全頭保護だけが唯一の方法ではありません。当事者が多頭飼育に陥ったきっかけは、自宅周辺に捨てられた猫に餌を与え始めたこと。今回も手術した6頭はすべてボランティア団体が保護しており、自分の周りに猫がいなくなった今、また新たに猫を増やしかねません。現場に猫がいなくなったら「終わり」ではなく、二度と当事者が猫を増やさないよう継続して見守っていく必要があるのです。そのために、時には当事者がしっかりとお世話できる頭数だけを残し、その飼育をサポートしていくという方法が求められることもあります。
多頭飼育救済の目的は、必ずしも現場の猫を「0頭」にすることではありません。


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