22_青森県三戸郡五戸町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.22
申請日:2021年7月6日
申請/実施責任者:五戸町 健康増進課
場所:青森県 三戸郡五戸町
居住者: 当事者本人(49歳、女、パート)、夫(66歳、夫、無職)、娘(28歳、女、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:43頭(申請時は34頭)
手術日:7月24日
協力病院:八戸のらねこ病院
チケット発行数:17枚(幼齢により手術ができない子猫17頭を除く17頭が対象)
手術頭数:17頭

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 友人宅で生まれた子猫の貰い手がないとの理由でメス猫1匹を引き取ったことが飼育を始めたきっかけである。
  2. 数年前から飼い始めて以降、経済的困窮から手術費用が捻出できず不妊手術を行わなかったため繁殖していった。
  3. 2021年4月に職場の同僚たちが当事者の衣服の匂いに耐えられなくなり、家庭訪問を行ったところ、自宅に大量の猫がいることが発覚。
  4. 職場の同僚から相談を受けた動物愛護支援の会八戸が現場の状況を確認し、行政へ相談したことから支援に至った。
  5. 手術予定の17頭は全頭チケットを使用して手術済み。さらにボランティア負担にて5頭を追加で手術し、今回手術を行った頭数は合計22頭である。
  6. 支援期間中に新たに9頭の子猫が産まれたため、現場の猫の総数は43頭となった。
  7. ボランティアが保護した10頭、譲渡済み2頭、亡くなった猫6頭(交通事故2頭、病死4頭)を除き、健康状態の良い成猫16頭と新たに産まれた授乳中の子猫9頭の合計25頭が当事者宅に戻ることとなった。
  8. 風邪症状のひどい猫や栄養状態が悪く体格が異常に小さい子猫は、飼い主による治療が期待できないためボランティアが預かり治療している。
  9. 頭数が減ったことで餌が足りるようになり、また、トイレを1つ→3つに増やしたことによって粗相が減り、異臭軽減に繋がった。
  10. 今後は完全屋内飼育、トイレ掃除をまめにする、餌を十分に与えることを当事者へ指導した。
  11. 現場に戻された9頭の子猫については手術可能体重に達した時点で引き取り、ボランティア負担にて手術予定である。
手術日 オス メス 耳カットのみ
7月24日 8 9 0 17
8 9 0 17

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
相談から捕獲・手術まで日数がかかり、その間に新たに9頭の子猫が産まれてしまった。また、猫を外に出さないよう当事者に指導していたが、猫が逃走し、手術数日前に交通事故で2頭亡くなってしまった。
当事者とは事前に話し合い、パート収入で面倒を見れる頭数(10頭程度)を戻す予定だったが、手術当日に猫を手放したくないと言い出し、結果的に成猫16匹を戻すことになった。
上記のことから自己評価点は60点としたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
なぜこうも安易に猫を譲り、安易に猫を譲り受ける人が多いのでしょうか…。
命あるものを譲る者の責任として、譲る相手が飼い主としての責任を果たせる人かどうかを見極めるべきではないでしょうか。命あるものを譲り受ける者の責任として、自分が飼い主として適切な飼育環境を用意できるかどうかを冷静に考えるべきではないでしょうか。
猫に限らず、動物は「かわいい」だけで飼うことはできません。動物を幸せに飼育するにはお金がかかるのです。当事者は経済的な事情から不妊手術をせず、室内飼育を徹底することもせず、ただただ増えるに任せていただけでした。そして、手術後に行政との合意を翻し、猫を手放したくないと言いました。ボランティア団体による引き取りなどで頭数が減ったとはいえ、現時点でも当事者の飼育能力を超えていることは間違いなく、今後も適切飼育に向けた指導を継続していく必要があると思われます。


 
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