22_茨城県かすみがうら市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.22
申請日:2022年8月5日
申請/実施責任者:かすみがうら市 環境保全課
場所:茨城県かすみがうら市
居住者:当事者本人(57歳、女、生活保護)、弟(50歳、生活保護)
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:40頭
手術日:9月6日、28日、10月19日
協力病院:茨城さくらねこクリニック
チケット発行数:40枚
手術頭数:37頭(手術予定だった子猫3頭が亡くなったため)
協働ボランティア:個人ボランティア

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2008年、現在の住居でオスの野良猫を1頭保護した。
  2. その後も迷い猫を複数回保護するなどして頭数が徐々に増えていった。
  3. 経済的な理由から不妊手術ができず、また、住環境から雌雄を分けて飼育することもできなかった。
  4. 糞尿の臭いへの近隣住民から苦情があったほか、当事者から餌代が用意できないと相談があったことから多頭飼育崩壊が発覚。
  5. 福祉担当と一緒に不妊手術をすすめたが当初は断られた。しかし、近隣住民から苦情が入っていること、妊娠している猫がおりこのままではさらに頭数が増えること等を話して説得したところ、当事者が了承したため申請に至った。
  6. 手術前に子猫3頭が亡くなってしまい、チケットによって不妊手術を受けたのは37頭であった。
  7. 37頭のうち33頭は当事者宅へ戻り、4頭の子猫はボランティアが保護して今後譲渡される予定である。
  8. 支援前は、完全室内飼育にもかかわらず外まで糞尿の臭いがもれていたが、支援中に清掃を行ったことで外まで臭うことはなくなった。
  9. 手術後は猫同士のケンカが減少。押入れの中を整理したことで猫の行動スペースが増えた。
手術日 オス メス 耳カットのみ
9月6日
9月28日
10月19日
21 15 1 37
21 15 1 37

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当市の社会福祉課からの相談により発覚した多頭飼育でした。
当初、当事者は手術は可哀想だと拒否していましたが、猫にかかる費用がかさんで生活費を圧迫し、どうにもできなくなったことからどうぶつ基金の支援を受けました。感謝申し上げます。
手術は3日に分けて行われ、怖がりのオス猫3頭がなかなか捕獲できず苦戦しましたが、無事に手術を受けさせることができて安心しました。子猫4頭はボランティアの方に引き取っていただき、譲渡される予定です。手術後は猫同士のケンカも減少しました。
今回は、社会福祉課と協力して運搬等行うことができました。これからも課を越えての協力体制を整えていけたらと思っております。


どうぶつ基金スタッフコメント
手術前に子猫3頭がなくなってしまいました。もう少し早く支援ができていたらと思うと悔しい気持ちがありますが、残る37頭は全頭手術済みとなり、子猫4頭は保護され譲渡予定とのことです。子猫4頭にはなくなった3頭の分まで幸せになってほしいですね。
「不妊手術が可哀想」というのはよく耳にする言葉です。こういった不妊手術への誤った認識が多頭飼育崩壊を生みだす大きな要因の一つになっています。頭数が少ないうちに不妊手術をしておけば費用負担も少なく、猫も人も不幸にならずに済んだでしょう。本件の当事者は経済的な状況もあり最終的に不妊手術を受け入れましたが、行政は説得に苦慮されたことと思います。課を横断しての協力体制をぜひ整えていただき、早期発見・早期解決のためのフローをぜひかすみがうら市で構築していただきたいと思います。


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