61_福岡県小郡市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.61
申請日:2025年12月23日
申請/実施責任者:小郡市 生活環境課
場所:福岡県 小郡市
居住者:当事者本人(58歳、男、日雇労働者)、兄(60歳、男、運送業)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):18頭(8頭)
手術日:3月3日
協力病院:にじのはしスペイクリニック福岡分院
チケット発行数:16枚(手術済み2頭を除く16頭分を申請)
手術頭数:11頭(1頭が申請後に死亡、4頭は違う場所で捕獲されチケットを使用せず手術済となった)
協働ボランティア:個人ボランティア
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2021年3月頃、2頭の猫が庭に現れ、そのうち1頭が敷地内のプレハブ(老朽化が進みドアが閉まらない)に居つくようになり餌やりを始めた。
- 居ついたメス1頭が、年2回子猫を出産するようになり、プレハブを拠点とする猫が年々増え続けて現在は18頭となっている。
- 2025年12月、福岡県の動物愛護推進員から市内で多頭飼育をしている家があるとの情報提供があり発覚。同月中に動物愛護推進員2名、市職員2名で現地を訪問して当事者と話をした。
- 猫がいる小屋の中は餌皿やトイレが適切に管理されていた。小屋の床の穴から自由に出入りできる状態であったため、修繕による侵入防止、繁殖を防ぐために雌雄を分けて飼養するよう指導を行った。
- 当事者は全頭の不妊手術費用を負担する経済的余裕はなく、このまま放置すれば頭数がさらに増加する恐れがあり、猫の餌代が生活を圧迫している。同居する当事者の兄は猫飼育に関心がなく、行政指導があるようなら処分すると言っていることから、これ以上不幸な猫を増やさないために早急に対処すべく申請を決定した。
- 手術済みの2頭を除く16頭分を申請するも、1頭が申請後に死亡。室内外を自由に行き来していることから、4頭が違う場所で捕獲され手術済みとなり、使用したチケットは11頭分であった。
- 衛生環境は以前から適切に管理されており、猫たちの健康状態も良好。トイレは、当初の2個から5個に増設した。
- 猫たちはこのまま、敷地内のプレハブにおいて当事者が飼養を継続する。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 3月3日 | 6 | 5 | 0 | 11 |
| 計 | 6 | 5 | 0 | 11 |
【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者との調整において、当事者が置かれている状況は行政に責任があるといった思いが強く難航した。しかし、個人ボランティアの協力もあり、最終的に現場の猫すべてを手術することができた。
どうぶつ基金スタッフコメント
動物愛護推進員の方からの情報提供で発覚しました。飼養環境は比較的良い状態ではありますが、頭数がさらに増えることによって悪化する可能性が十分にあったことから、発見されてよかったというのが正直な感想です。
多頭飼育当事者との調整は本当に難しい面があります。今回のケースでは行政への不信感が強いようでしたが、個人ボランティアの方がいてくれたおかげで、全頭手術済みという結果に辿り着くことができました。その他の事例では、本件と違ってボランティアに強い不信感を抱く当事者もおり、やはり官民協働で互いを補完しながら進めていくことの重要性を感じました。
支援後は完全室内飼育となり、これ以上、猫が増えることはありません。当事者もほっとしていることでしょう。今後は、行政による定期訪問など継続したサポートを行っていただくとともに、必要に応じて福祉への橋渡しを行っていただきたいと思います。



