9_鹿児島県霧島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.9
申請日:2025年5月1日
申請/実施責任者:霧島市役所 環境衛生課
場所:鹿児島県霧島市
居住者:当事者本人(68歳、男、無職)、弟(64歳、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給なし
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):27(12頭)(申請後に子猫が12頭生まれ27頭となった)
手術日:5月27日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:15枚(申請時の総数15頭分を申請)
手術頭数:15頭
協働ボランティア:waco
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 3年前、同居している弟が野良猫に餌を与え、飼育を始めたのがきっかけ。
- 初めは1頭のみだったが、飼い猫に与えていた餌に9頭の野良猫が寄り付き住み着いた。不妊手術をしていなかったため、1年前にそのうちの1頭が子猫5頭を生み、合計15頭の猫が住み着いた。
- 市議会議員から市役所に連絡があり、現場を確認した際に多頭飼育が発覚。
- 現地確認時、トイレの設置をしていなかった為、トイレの設置。給餌場所を室内に変え、飼い猫以外には餌をあげないこと、飼い猫については室内飼育を指導した。
- 当事者宅は周辺に新しい住宅が多く建っている地域であり、これ以上猫が増えてしまうと、地域の糞尿の被害を訴える市民が増えることが懸念される。また当事者は年金で生活しており、15頭の猫を手術する不妊手術費用を捻出する余裕もないことから申請を決定した。
- 27頭中申請時の総数15頭をチケットにて手術済み。申請後から手術までの間に生まれた子猫12頭は2度目の申請を検討している。全頭当事者宅でそのまま暮らす。
- 当初、トイレを設置していなかったが、新たに3つトイレを置くようにした。トイレを設置したことで、臭いも抑えられ、室内もきれいな状態となった。健康状態が悪そうな猫は見受けられなかった。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
5月27日 | 3 | 12 | 0 | 15 |
計 | 3 | 12 | 0 | 15 |
【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
協働ボランティアの協力もあり、申請から捕獲・手術までスムーズに行うことができた。また手術後の飼養環境の改善についても、当事者の理解を得ることができ、早急にトイレの設置等の飼養環境改善も対応してくれた。しかし、当事者宅の敷地にある倉庫で、新たに12頭の子猫が生まれていることが発覚した。当事者には子猫が手術可能になったら、すぐに連絡をもらうこと、オスとメスを可能な限り隔離することを伝えた。今後も、これ以上増えないよう、定期的に確認を行っていきたい。
どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育崩壊の解決には「すぐやる・全部やる」が鉄則です。1頭でも未手術の猫が残れば、あっという間に元通りになります。未手術の子猫12頭は2回目の申請を検討中とのことですが、行政にはボランティアと情報共有しながら、手術可能な時期に早急に2回目の申請を行い、全頭の不妊手術を完了していただきたいと思います。また、その間にさらに猫が増えてしまわないよう、しっかりと指導と見守りをお願いしたいと思います。