49_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.49
申請日:2024年12月27日
申請/実施責任者:鹿児島市 生活衛生課
場所:鹿児島県鹿児島市
居住者:当事者本人(58歳、男、無職)配偶者(58歳、女、パート)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):11頭(0頭)
手術日:1月18日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:10枚(手術済み1頭を除く10頭分を申請)
手術頭数:10頭
協働ボランティア:NPO法人 犬猫と共生できる社会をめざす会鹿児島
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2015年に野良猫を1頭保護したが、この猫については不妊手術を行っていた。
- その後、5年前と2年前にも猫を1頭ずつ保護。この2頭を未手術のまま飼育していたため繁殖し、飼育頭数がここ1年で10頭以上となってしまった。
- 2024年12月下旬、当事者自ら本市へ「世話をしている猫が増えてどうしようもなくなってしまった」と相談したことにより発覚。
- 部屋の清掃やトイレの管理を行うよう指導したが、当事者は失業中で妻のパート収入のみ生活しており、全頭の不妊手術費用を捻出することは困難と判断し申請に至った。
- 手術済みの1頭を除く全10頭がチケットによって手術済みとなった。術後の猫の健康状態も変化はない。室内と糞尿であふれていたトイレを清掃したことで臭いも軽減した。
- 猫はこのまま同じ場所に住み続け、当事者が飼養を継続する。今後の管理方法を指導したことで飼養環境も改善した。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
1月18日 | 4 | 6 | 0 | 10 |
計 | 4 | 6 | 0 | 10 |
【現場写真(支援前)】


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
夫婦は妻のパート収入のみで経済的な余裕がなく、これまで多数の猫の不妊手術を行うことができなかったが、どうぶつ基金の支援によって短期間で全頭の手術を行うことができた。
1年間で猫が爆発的に増えたこともあり、当事者は猫のことや生活全般に不安を抱えている状態であったが、今後繁殖の恐れがなくなったことから当事者も安堵している様子であった。
どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は最初に保護した1頭に不妊手術を行っており、ある程度、不妊手術の重要性を理解していたのだろうと思います。多頭飼育のきっかけとなった次の2頭は一度に保護したわけではありません。保護した時期も間隔が空いており、この2頭の不妊手術さえしていれば…と悔やまれます。
このまま発覚が遅れれば事態は悪化することろでしたが、当事者が自ら市へ相談したことで活路が開けました。今回の支援で現場の猫はすべて手術済みとなり、術後の猫も元気に過ごしているようです。飼養環境をさらに整えていくこと、決して新たな猫を迎え入れないこと、そして今いる11頭の猫を最期まで大切にお世話することが、今後当事者が果たすべき責任です。