50_茨城県阿見町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.50
申請日:2025年1月6日
申請/実施責任者:阿見町役場町民生活部生活環境課
場所:茨城県稲敷郡阿見町
居住者:当事者本人(75歳、女、無職)配偶者(76歳、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):36頭(3頭)(申請後に子猫が3頭生まれ36頭となった)
手術日:2月3日
協力病院:茨城さくらねこクリニック
チケット発行数:26枚(当初の総数33頭のうち6頭が手術済み、1頭は健康状態により手術対象外)
手術頭数:25頭(1頭が出産したため手術術できず)
協働ボランティア:茨城桜ねこの会

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 猫を飼い始めたのは10年ほど前である。餌をあげていた野良猫が庭先で子猫を生み、可哀想なので家に入れ始めた。
  2. 最初は6頭だったが、繁殖を繰り返してどんどん頭数が増えて管理しきれなくなった。
  3. 当事者の息子より「親が多頭飼育をしている」との相談あり。両親が猫の面倒を見ていたが、父親が要介護2の状態となってしまい、これ以上猫が増え続ける現状を何とかしたいとのことだった。
  4. 動物指導センターと一緒に現場を確認し、これ以上猫が増えないように雌雄を分けて飼育するよう指導し、少しづつ不妊手術を進めていくことになった。
  5. 当事者の息子が12月にメス4頭の手術を行うなど少しづつ進めてはいるものの、妊娠してしまった猫もおり、早急に手術をしないとまた増えてしまうのではないかと心配され、ボランティア団体からも早めにやったほうが良いとのアドバイスを受けたため今回の申請に至る。
  6. 申請時の総数33頭のうち6頭は手術済み、1頭は癌のようで口がただれてしまい、手術に耐えられそうにないため除外し、残る26頭分のチケットを申請。
  7. 手術までに1頭が出産して3頭の子猫が生まれたことで総数は36頭となる。出産した母猫については、手術可能な時期に当事者負担で不妊手術を行う予定。子猫3頭はボランティアが保護して譲渡先探しを行い、里親にて適切な時期に不妊手術を行う予定である。この母猫と子猫を除いた25頭については不妊手術が完了した。
  8. 手術後は、新設したプレハブに猫を移して飼育している。空調や換気もしっかりされており、アンモニア臭はするがきれいな状況である。キャットタワーや猫ハウスなどの遊具も作られており、気温も猫に適した温度を維持できるようになったため、健康状態も前より良くなるのではないかと感じた。トイレはたくさん設置されており、運動スペースも十分確保されてる。
  9. 病気で手術対象外になった1頭は家の中で治療をしている。
  10. 当事者には、今いる猫を看取るまで飼育すること、野良猫への餌やりをやめて荒れた人間の生活環境の改善に努めることをお願いしている。
手術日オスメス耳カットのみ
2月3日1213025
1213025

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
初めての多頭の現場だったが、さまざまな方の協力を得て初めて行うことができた。今後こういった現場に入るときは経験を生かしてスムーズに行いたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育崩壊の支援において、一番重要なことは不妊手術を「すぐやる・全部やる」です。特に、本件のようにここまで頭数が増えてしまった状況では、不妊手術を進めている間に別の猫が妊娠・出産してしまい、いつまで経っても終わりません。当事者の息子さんが不安を感じるのも無理はありませんでした。
出産した母猫や生まれた子猫、病気により手術しなかった1頭を除くすべての猫が手術済みとなり、支援後の写真からも分かるように、猫の飼養環境は大きく改善しました。行政、ボランティア団体、そしてご家族のご尽力があったからこその結果だと思います。30頭を超える猫のお世話は本当に大変なことです。それでも、当事者には飼い主としての責任があります。今後もご家族やボランティア、行政の力を借りながら、自分たちも猫も健やかに暮らせるよう努めていただきたいと思います。


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