10_青森県上北郡東北町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.10
申請日:2021年5月20日
申請/実施責任者:東北町役場 保健衛生課
場所:青森県上北郡東北町
居住者: 当事者本人(49歳、男)
居住環境:借家/アパート
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:22頭(12頭は手術済み)
手術日:6月19日
協力病院:八戸のらねこ病院
チケット発行数:10枚
手術頭数:9頭(1頭捕獲できず)

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 2014年5月にメス猫を拾ったことがきっかけ。最初はその1頭だけを飼育していたが、そのメス猫が次々に出産。いちばん多い時期には総数33頭にもなっていた。
  2. 一部の猫は、当事者が親しくしていた知人が不妊手術を行ってくれていたが、現在その知人とは音信普通。未手術の猫がその後も繁殖を続け、エサ代の増加や猫のマーキングなどで当事者の生活を圧迫するようになった。
  3. 当事者は生活保護受給者であり、車もないため動物病院までの移動手段もなく、飼育の継続が困難な状況にあった。
  4. 2021年3月、当事者からボランティア団体あてにエサと猫砂の支援要請が入る。
  5. 後日、支援のためにボランティア団体が自宅を訪問したところ多頭飼育が発覚。ボランティア団体が東北町役場へ相談し、保健衛生課が現場確認を行った。
  6. 未手術の猫は10頭であったが、オス1頭が家中を逃げ回って捕獲できず未手術となる。未手術の1頭については、捕獲ができ次第ボランティア団体の負担により手術実施予定。
  7. ほぼすべての猫が不妊手術済みとなったこと、完全室内飼育で当事者に懐いている様子であることから、猫は引き続き当事者が飼育を継続する。
  8. 住居は、長年蓄積された傷や匂いが壁や家具に染みついている状態。定期的に清掃するよう指導を行い、町保健師やケアマネジャーとの連携を密にして見守りを継続していく。
手術日 オス メス 耳カットのみ
6月19日 8 1 0 9
8 1 0 9

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
当事者が飼育しているほぼすべての猫の不妊手術を行うことができ、繁殖を抑えることができた。
しかし、飼育場所の環境整備と近隣住民への悪臭被害の懸念が完全に払拭できていないため、今後も継続して対応が必要であると考えている。


どうぶつ基金スタッフコメント
不妊手術を行ってくれていた知人がいなくなり、その後さらに猫の数が増えて生活を圧迫するまでになりました。ひとたび猫が増えてしまえば、数頭ずつの不妊手術では猫の繁殖力に追い付きません。
今回のケースでは、当事者からのSOSを受け、行政へとつないでくれたボランティア団体のおかげで支援が実現しました。動物愛護支援の会八戸様、ありがとうございました。また、ボランティア団体からの相談に耳を傾け、解決に動いた東北町役場の皆様にもお礼を申し上げるとともに、今後しっかりと見守りを継続いただくようお願いしたいと思います。
猫の多頭飼育は最悪の状態になるまで発覚しないことがよくあります。行政が単独でその兆候を捉えることは、恐らく難しいでしょう。近隣の方からの情報提供やボランティア団体からの相談に真摯に向き合うこと、これが多頭飼育問題解決の第一歩となります。


 
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