兵庫県川西市多頭飼育救済支援レポート(団体枠)⑧ 

申請No.8
申請日:2019年07月11日
申請/実施責任者:NPO法人FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク
場所:兵庫県川西市
居住者:当事者本人(53歳、男)、母(78歳、女)
居住環境:借家/アパート
生活保護受給の有無:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:28頭
手術日: 9月26日
協力病院:北摂TNRサポートのらねこさんの手術室
チケット発行数:35枚
手術頭数:28頭
※申請時35頭と報告するも搬入時28頭と判明

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. 生活保護を受給していたお母さんの所に、5年ほど前に仕事を辞め生活が苦しくなった息子が飼っていた猫4,5匹連れて同居するようになったのがきっかけ。
    2. 息子が連れてきた猫は不妊手術をしていなかったため、約5年間の間に室内で繁殖を繰り返し増えていった。
    3. 当事者の自宅近くに仕事に行っていたヘルパーさんが猫の鳴き声と臭いに気づき、窓から家をのぞくと沢山の猫が居ることに驚いた。
    4. そして、地元で猫のボランティア活動をしている川西TNR地域ねこの会に相談した。
    5. 5年前の10数匹の時点で、市役所と県愛護センターに川西TNR地域ねこの会から相談をしているが、どちらも自宅訪問して適正飼育の口頭指導をしたのみで効果はなかった。
    6. 5年経ち環境が悪化していることを市も県もしっているが、チケット申請等の協力は得られなかった。
    7. NPO法人FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワークと川西TNR地域ねこの会の協働で行うこととなった。
    8. 猫の頭数を推定35頭としていたが全頭搬入したところ28頭だった。
    9. どうぶつ基金チケットで全頭手術を行い、全頭このまま同じ場所に住み続けることとなった。
    10. 当事者はゆくゆく猫と一緒に自立したいと言っている。当面は室内の環境維持を目標としている。
手術日 オス メス 耳カットのみ
9月26日 10 16 2 28
10 16 2 28

【現場写真(支援前)】
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【現場写真(支援後)】
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今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
・6年前から行政が指導をしても何も改善が見慣れないどころか悪化の一途をたどっていたが今回ボランティア団体が2つ協力し増え続けていた環境にストップをかけることができたことは大きな進歩だと感じている。
・猫の飼育環境にはまだ問題が残っている。


どうぶつ基金スタッフコメント

本件は、川西市役所と兵庫県愛護センターが5年前から把握していた事案である。行政から当事者には5年前に適正飼育をするようにという口頭指導にとどまり、何一つ解決に至らなかった。猫は5年で十数頭から30頭近くまで増え、問題は大きくなった。今回の一斉手術も本来行政からのチケット申請があるべきだが、行政は自らどうぶつ基金にチケット申請することを拒否している。多頭飼育を防止するにはまだ猫の数の少ないうちに不妊手術を行う事が唯一無二の方法である。遅くなった分だけ猫の数は増え、費用負担も増える。本来問題に対応すべき行政が手をこまねいて見ていると、いずれ取り返しのつかない事態を迎え多頭飼育崩壊に陥る。

今回の川西市と兵庫県の対応は非常に罪深い。今後このようなことがないように猛省を求める。

 


現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計
沖縄県国頭郡 7 14 0 0 21
宮城県宮城郡 13 24 0 0 37
群馬県太田市 52 15 0 0 67
沖縄県沖縄市 7 1 0 0 8
群馬県富岡市 11 12 0 0 23
神奈川県小田原市 8 5 0 0 13
埼玉県川越市 30 23 0 0 53

 

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