鳥取県日南町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)⑱

申請No.18
申請日:2020年8月4日
申請/実施責任者:日南町 福祉保健課
場所:鳥取県日野郡日南町
居住者: 当事者(57歳、女、アルバイト)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:38頭(申請時は37頭)
手術日:9月4日、11日、18日、25日、10月2日、9日、23日、30日
協力病院:ふじい動物病院
チケット発行数:31枚(申請時37頭のうち、手術ができない子猫6頭を除く31頭が対象)
手術頭数:30頭(1頭脱走してしまい使用できず)

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. もともと両親が猫を2頭飼育していたが、不妊去勢手術を行っていなかった。
    2. 7年前に当事者が体調を崩し1ヶ月ほど入院。入院中は当事者の姉が週に1回訪れて猫の世話をしていた。退院後は当事者が1人で世話をしている。
    3. 当事者は2014~2019年まで生活保護を受給。その後、日南町社会福祉協議会が行う生活困窮者相談を受けている。
    4. 現在、年金と農作業のアルバイト収入で生活しており、経済的に非常に困窮している。
    5. 体調不良や生活困窮のため、猫の不妊去勢手術などの手段を講じることが困難であった。それにより5~7年の間に34頭までに増えてしまった。
    6. 猫は居間、和室、台所のテーブルや椅子の上、食器棚やシンクにのぼったり、居間のテレビ台の中に入ったりする。居間や和室の畳やドアなどに猫の引っ搔いた跡が多数ある。
    7. 当事者の居住スペースは居間であるが寝室を兼ねている。
    8. 猫は、居間、和室、台所を中心に食事や排泄をしており、当事者の居住スペースと混在。トイレ以外の場所でも糞尿をしている。
    9. 屋内全体に餌や糞尿の臭いがしている。居住スペースは1階のみで猫は2階の部屋には入らないが、屋根裏の穴から外へ出入りしている。
    10. 手術後も当事者はこのまま同じ場所に住み続ける。不妊手術を行った猫は当事者宅に戻し、今後鳥取県のホームページや新聞に掲載して里親を探していく。里親が見つからなければ今後も当事者が飼育を継続する。
    11. 当事者と猫の生活スペースは手術前と変わらず混在しているが、居間の畳は新しいものに替え、手術前と比べて喧嘩や鳴き声が少なくなり、猫がおとなしくなった。
    12. 申請の時点では子猫6頭だったが、手術期間中に妊娠・出産した猫がいたため25頭増え、子猫が31頭となってしまった。
    13. 子猫31頭のうち18頭がなくなり、6頭が里親に引き取られた。残りの子猫7頭と脱走していた猫1頭の計8頭が未手術の状態で当事者宅にいる。譲渡された子猫6頭については、里親にて不妊手術実施予定である。
    14. 申請時37頭(うち子猫6頭)であったが、手術期間中に子猫25頭が生まれて一時62頭に…。死亡や譲渡で子猫が24頭減ったため、最終的に現場の猫の総数は38頭となった。
    15. 新聞掲載に費用がかかったこともあり、未手術8頭の手術を当事者負担で行う事が困難な状況である。未手術8頭分の多頭飼育救済支援の申請を検討中。
手術日 オス メス 耳カットのみ
9月4日 3 2 0 5
9月11日 3 2 0 5
9月18日 2 3 0 5
9月25日 3 2 0 5
10月2日 1 3 0 4
10月9日 1 1 0 2
10月23日 0 2 0 2
10月30日 0 2 0 2
13 17 0 30

ゴミが散乱し、不衛生で悪臭が漂っている状態であった

【現場写真(支援前)】

ボランティアによって家も清掃され飼育環境が改善された

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
対応が遅くなり、申請までに時間がかかってしまったため、手術期間中に妊娠・出産してしまった猫が10頭いた。
妊娠中の猫の捕獲ができず出産後の手術となってしまったことや、近づくとすぐに逃げる猫の捕獲が困難で手術の予定を変更することもあった。また、手術予定であった猫が1頭脱走。チケット有効期限内に戻ってこず、1枚が未使用となってしまった。
しかし、町外にいる当事者の姉夫婦や日南町社会福祉協議会の協力を得て、2カ月間で30頭の不妊手術を行う事ができた。鳥取県ホームページや新聞に里親募集を掲載することで、手術期間中に産まれた子猫6頭に里親を見つけることもできた。今後も当事者宅に戻された猫たちの里親探しを継続して行っていく必要があると考えている。


どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育崩壊を止めるには「スグやる、全部やる」が鉄則です。そうしなければ、猫の繁殖スピードに追い付くことができません。今回の現場でも、手術期間中に妊娠・出産した猫がおり、申請時より子猫が25頭増えてしまいました。半数を超える18頭の子猫がなくなってしまいましたが、せめて支援を申請した段階で雌雄を分けるなどの措置がとられていれば…と考えてしまいます。また、未手術の猫が8頭残っているため今後の対応が重要です。
今回のケースではボランティアが関わっておらず、行政の方々と当事者、当事者の親族が協力して解決に臨まれました。日南町様は初めての多頭飼育救済申請で戸惑われたことも多かったことと思います。そのご苦労をぜひとも今後の多頭飼育崩壊の解決に役立てていただきたい、そのような行政が1つでも増えてほしいと願わずにはいられません。


現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計
茨城県笠間市 6 3 0 0 9
長崎県大村市 6 6 0 29 41
群馬県富岡市 21 21 0 0 42
北海道根室市 8 6 0 0 14
兵庫県太子町 16 21 0 01 38
沖縄県うるま市 16 21 0 1 38
千葉県白子町 15 10 0 0 25
埼玉県飯能市 15 14 0 0 29
茨城県龍ヶ崎市 3 4 0 0 7
千葉県白子町 4 5 0 0 9
北海道むかわ町 9 11 0 0 20
茨城県かすみがうら市 15 13 0 0 28
青森県三戸町 3 8 0 0 11
北海道江別市 23 12 0 0 35
埼玉県坂戸市 14 9 0 0 26
滋賀県草津市 10 11 0 0 21
北海道千歳市 13 14 0 0 27

 

多頭飼育救済に関するお問合せはこちら