千葉県白子町多頭飼育救済支援レポート⑦(行政枠)

申請No.7
申請日:2020年5月21日
申請/実施責任者:白子町 環境課
場所:千葉県長生郡白子町
居住者: 当事者本人(65歳、女、無職)、子(26歳、男、アルバイト)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:65頭(支援時に65頭と判明)
手術日:6月16日
協力病院:ふー動物病院(袖ヶ浦)
チケット発行数:28枚(申請時は猫の総数35頭と把握。7頭はすでに手術済みであったため28枚を申請)
手術頭数:25頭(対象の28頭中、3頭が捕獲できず)

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

    1. 当事者の亡くなった両親が好きだったこともあり、幼少時から猫を飼育していた。
    2. 当初は2頭ぐらいであったが、野良猫に餌を与えているうちにどんどん増えてしまった。成猫・子猫が捨てられることも度々あり、何十年も猫が途切れることはなかった。
    3. 2019年から保健所、福祉関係者、ボランティア団体が連携して訪問や指導を行ったが状況は変わらず。
    4. 2020年4月、7頭の猫に不妊手術を実施。
    5. 未手術の猫がまだ多く残されており、早急に対応が必要な状況であったが、猫に対する苦情を受けての訪問や飼い方指導による改善は見られず、家の中の様子も確認することができなかった。
    6. 2019年7月、現場に隣接している小学校から相談を受けて初めて保健所が家の中へ調査に入る。当事者宅はゴミ屋敷となっており、室内に20頭ほどの猫が確認できたことから申請に至る。
    7. 室内はゴミが溢れており、片付けても片付けても1週間経てばゴミが増えてしまう状態。猫の頭数と人員などの状況から病院までの運搬が難しく往診を希望するが、当事者宅は不衛生で手術場所が確保できない。また、目の前が小学校であることなども考慮し、獣医師の協力を得て町の施設で往診による不妊手術を行った。
    8. 3頭はチケット有効期間内に捕獲できず未手術となってしまった。
    9. 手術した25頭は譲渡に向けて屋内飼養としていたが、1頭は脱走してしまい当事者宅周辺で自由に生活している。
    10. 猫はいったん当事者の元に戻すが、いずれボランティアが保護して里親を探す予定。
    11. 申請時は35頭と把握していたため、未手術分28枚のチケット(7頭はすでに手術済み)を申請したが、室内外を自由に行き来していたため正確な数を把握できておらず、支援時に総数65頭であることが発覚。最終的な内訳は、手術済みの猫が32頭、未手術の猫が14頭(子猫4頭含む)、ボランティア団体が保護した猫19頭で計65頭となった。現場に残る未手術の猫への対応が必要なことから2回目の支援申請に至った。
      ※白子町2回目のレポートはこちら
    12. ボランティア団体が保護した猫19頭(成猫2頭、子猫17頭)については、今後、必要な医療処置を行ったうえで里親を探す。
手術日 オス メス 耳カットのみ
6月16日 15 10 0 25
15 10 0 25

【現場写真(支援前)】
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【現場写真(支援後)】
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今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
・申請時に正確な猫の総数を把握できておらず、捕獲できなかった3頭も含めて未手術の成猫が10頭、子猫が4頭ほど残ってしまった。
・現場で苦情の原因となっている小学校のグラウンドへの糞尿被害が解決できていない。


どうぶつ基金スタッフコメント
行政やボランティア団体による訪問や指導を1年以上継続したにもかかわらず、飼育状況が改善されることはなく、周囲からの苦情が止まることはありませんでした。ゴミ屋敷と化した自宅内で暮らしていた猫の健康状態は悪く、このまま放置すればもっと悲惨な状況になっていたと思われます。
多頭飼育崩壊の解決において重要なことの1つは、正確に飼育頭数を把握することです。今回のケースでも35頭だったはずが、実際には30頭も多い65頭でした。TNRと同様、多頭飼育救済においても「スグやる、全部やる、続ける」の重要性は変わりません。多頭飼育問題の解決に取り組む他行政にも、このことをぜひご認識いただければと思います。
最後に、往診での手術をご快諾いただいた協力病院に感謝いたします。

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現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計