53_三重県名張市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.53
申請日:2025年11月20日
申請/実施責任者:名張市 地域環境部 環境対策室
場所:三重県名張市
居住者:当事者本人(67歳、男、無職)
居住環境:貸家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):27頭(4頭)
手術日:12月16日、18日、19日、22日、23日、24日
協力病院:三重県獣医師会伊賀支部
チケット発行数:26枚(手術済み1頭を除く26頭分を申請)
手術頭数:26頭
協働ボランティア:なし
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2023年の夏頃、当事者が自宅周辺にいた野良猫(オス子猫3頭、メス子猫2頭)に餌をあげていたところ、近隣から室内で飼育するよう促された。
- 当事者宅で保護してから2年の間に繁殖して頭数が増えていった。
- 市の福祉部局から多頭飼育による衛生面での課題について、情報提供および住環境改善の相談があり発覚。
- 野良猫に対するルールを守った餌やりや繁殖抑制の必要性、糞尿の始末および衛生管理等について指導を行った。
- 精神不安等により指導内容を当事者自身が実施することは困難であり、これ以上の繁殖防止、環境改善、そして何より当事者が不妊手術を望んでいることから、適正飼養を行ううえで支援が不可欠であると考え申請に至る。
- 手術済み1頭を除く26頭分を申請し、すべてチケットを使用して不妊手術を行った。術後の猫の健康状態は良好である。
- 手術後に1頭が脱走して行方不明となり、8頭はすでに譲渡された。当事者は転居したが、転居先で残る18頭を引き続き飼養する。
- 支援後はトイレの数を増やし、飼養場所も変更して以前よりも清潔な状態である。清掃も行われており、糞尿等の臭いも改善されている。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 12月16日 | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 12月18日 | 2 | 3 | 0 | 5 |
| 12月19日 | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 12月22日 | 1 | 3 | 0 | 4 |
| 12月23日 | 2 | 3 | 0 | 5 |
| 12月24日 | 9 | 1 | 0 | 10 |
| 計 | 14 | 12 | 0 | 26 |
【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
多頭飼育救済支援にあたっては、三重県伊賀保健所による獣医師会伊賀支部との調整、猫の管理および技術支援を受け、全頭の不妊手術を無事に完了できました。
当事者には、今後は新たな猫を飼育をせず、頭数の削減を目指して譲渡に努めるまたは終生飼養をすること、飼養環境の改善について指導し、当事者からもそのように進める意思確認が取れました。
どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育救済支援事業において何度も申し上げていますが、野良猫に「餌をあげている人」は「飼い主」ではありません。本件でも多頭飼育崩壊へのきっかけとなったのは「飼い主ではない人に室内飼育を促したこと」です。糞尿被害だったり、庭を荒らされたり、鳴き声がうるさかったり、近隣住民の方にとっていろいろ不都合なことがあったのかもしれませんが、その時点で最初の子猫5頭は当事者の飼い猫ではありませんでした。本来はTNRで対応すべきであり、結果的に地域の問題を個人に押し付けたことになります。
未手術の複数の猫を室内に入れればどうなるか、この事例を見ればよく分かります。「餌をやっているなら飼い主だ」という誤った指導や認識が多頭飼育崩壊を生み出します。市民にいちばん近い行政だからこそできること、それは地域の誤った認識を変えることです。多頭飼育崩壊の発生を少しでも抑えるために、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。



