60_鹿児島県中種子町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.60
申請日:2025年12月23日
申請/実施責任者:中種子町 町民課
場所:鹿児島県熊毛郡中種子町
居住者:当事者本人(63歳、男性、畜産)、配偶者(66歳、女性、畜産)、娘(32歳、介護職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):81頭(14頭)
手術日:1月20日
協力病院:はちどりTNR病院種子島分院
チケット発行数:51枚(30頭は不妊手術済)
手術頭数:51頭
協働ボランティア:種子島 さくらねこの会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 近くの畑に遺棄されていた猫が当事者宅周辺に現れ、雨風をしのぐため牛舎内に留まるようになった。当該猫が牛舎周辺に居ついたことからやむを得ず給餌を開始。その後、定着したため飼養するに至った。
- 定着後まもなく妊娠・出産し、約1年後には5頭となった。1年目で1~5頭、2年目~4年目で5~30頭、5年目~8年目で30~50頭、 8年目~10年目で50~81頭に増えた。
- 家屋内、自宅周辺(牛舎等)、自宅から約100m離れた農業用ハウス周辺で飼養しており、現在の飼育頭数は計81頭である。当初は自宅周辺のみで飼育されていたが、徐々に農業用ハウス周辺に移動・定着する個体が増加した。
- 飼育開始から1年で5頭まで増加したが、当初は大幅な増加はないと認識していた。しかし、4年目頃には約30頭まで増加し、多頭飼育状態となった。6年目以降、猫の不妊手術を行っているTNR活動団体の存在を知り、2020年および2021年に手術を実施したことで、一時的に頭数増加は抑制された。
- その後も継続的な増加が見られ、現在では手術費用および餌代等の経済的負担が過大となり、当事者の生活維持が困難な状況となっている。
- TNR活動を実施している団体から相談があり、当該団体とともに現地確認を行った結果、多頭飼育の実態が確認された。
- トイレの設置および管理方法の見直し、餌箱が設置されていない場所も一部あり、餌箱の設置および適切な管理について指導。給餌時間および給餌方法の統一・徹底についても伝えた。
- 今年、TNR活動団体よりどうぶつ基金の取り組みについて説明を受け、通常のTNRよりも早急かつ集中的な支援が必要であると判断したため、多頭飼育救済支援への申請を決定した。
- 81頭のうち手術済みの30頭を除く51頭分を申請し、全頭不妊手術が完了した。
- 手術後、糞尿や臭気の減少により衛生環境が改善された。発情行動や争いが減少し、猫の健康状態およびストレスの軽減が見られる。あわせて、トイレ設置や清掃など飼育環境の改善が図られ、適正飼養に向けた状況の向上が確認されている。
- 当事者は当該住居で引き続き全頭を飼養する意向である。今後は適正飼養および繁殖防止に努める。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 1月20日 | 32 | 19 | 0 | 51 |
| 計 | 32 | 19 | 0 | 51 |
【現場写真(支援前)】


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
行政は主に捕獲・運搬を担当し、概ね適切に対応できた。一方で不慣れな部分もあったため、今後はより円滑な対応ができるよう改善に努めたい。また、事後報告が遅れたことについて深く反省しており、今後は速やかな報告に努める。
どうぶつ基金スタッフコメント
どうぶつ基金の多頭飼育救済事業において、牛舎での多頭飼育崩壊は何度か支援を行っています。ネズミ除けを目的として猫を飼い始めたケースや、本件のように遺棄された猫や野良猫が居ついてしまったケースなどさまざまですが、一般家庭と変わらず複数頭を飼育するのであれば不妊手術は必須です。牛は繊細で臆病な生き物だと聞きます。彼らの精神状態や衛生環境を考えても、酪農のプロとして最初にしっかりと対応しておくべきだったと思います。
全頭の不妊手術が完了したとはいえ、現場には81頭の猫が残り、当事者は飼養を継続する意向です。今回の支援が無駄にならないよう、適切な飼養環境が維持されているか、飼養する猫が増えていないか等について、行政による定期的な状況確認が求められます。



