3_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済レポート(行政枠)

申請No.3
申請日:2025年4月3日
申請/実施責任者:鹿児島市生活衛生課
場所:鹿児島県鹿児島市
居住者:当事者(42歳、女、無職)、長女(6歳)、次女(5歳)
居住環境:貸家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):20頭(0頭)
手術日:4月12日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:20枚
手術頭数:19頭(当事者等が費用を負担し、出産の恐れがあったメス1頭を先に手術した)
協働ボランティア:NPO法人犬猫と共生できる社会をめざす鹿児島  

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2019年から、野良猫を保護したり、知人から譲り受けるなどして10頭の猫を飼育していた。不妊手術は行っていなかったが、飼育開始から5年ほどは繁殖することはなかった。
  2. 現住所に転居後、2024年8月~2025年1月まで室外飼育にしたことから繁殖、現在の頭数にまで増加した。現在はすべての猫を室内で飼育している。
  3. 当事者宅の近隣に土地を購入した方(情報提供者)が、当事者が外で猫を10頭以上飼育していることを確認。2025年1月、情報提供者から「猫の管理がどうなっているのか気になる。頭数が増えないように話をしてほしい」という旨の相談が市役所に寄せられたことで発覚。
  4. 当事者は失業中で、生活保護で家族の生活費を賄っていることから、当事者が自力で全頭の不妊手術を行うことは困難と判断し申請に至る。
  5. 20頭のうち19頭がチケットにより全頭手術済みとなった。残る1頭は出産の恐れがあったメスで、チケットを使用せず支援前に不妊手術を実施。ボランティアの補助を受けた当事者が手術費用を負担したが、残念ながら術後9日目に亡くなった(原因は不明)。手術済みの19頭はこのまま当事者が飼養を継続する。
  6. 衛生環境や猫の健康状態に変化はないが、押し入れの片づけやトイレの増設により飼養環境は改善されている。

手術日オスメス耳カットのみ
4月12日136019
136019

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者には経済的余裕がなく、多数の猫の不妊手術を実施できずにいたが、どうぶつ基金の支援を受けて、短期間で全頭の手術を実施することができた。
今回の支援で繁殖の恐れがなくなったことで、当事者も安堵している様子だった。


どうぶつ基金スタッフコメント
支援前に不妊手術が行われた1頭が残念ながら亡くなってしまいましたが、残る19頭は術後も変わりなく過ごしているようです。繁殖が止まったことで、当事者の大きな不安が一つ解消されたことと思います。ただ、これは完全解決ではなく、解決に向けてスタート地点に立っただけにすぎません。当事者は失業中とのことですが、今回の支援をきっかけに自らの生活を立て直し、さらなる飼育環境の改善に取り組む義務があります。これからも定期的に訪問するなどして、猫たちが適切な環境で飼育されているかどうかを確認していただくことを求めます。
多頭飼育崩壊を防ぐ手段は不妊手術しかありません。最初のうちは繁殖しなかったとしても、本件のように最終的には必ず崩壊します。不妊手術の重要性をどうすれば社会全体で共有できるのか、もっともっと試行錯誤していかなければいけません。


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