39_福岡県大木町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.39
申請日:2024年11月6日
申請/実施責任者:大木町役場 環境課
場所:福岡県大木町
居住者:当事者本人(60歳、女、B型事業所)、母(87歳、無職)、兄(62歳)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):14頭(2頭)(10頭で申請するも実際は14頭であった)
手術日:1月7日
協力病院:おおき犬と猫の病院
チケット発行数:10枚
手術頭数:10頭
協働ボランティア:なし
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 約2年前、当事者宅に近所の猫が6頭やってきたが、そのうちの1頭が住みついてしまった。さらに2頭が居ついてしまい2回出産。その後、猫は15頭まで増えた。
- 当事者本人から行政へ相談があり、現地を確認して多頭飼育状態であることが発覚。
- 猫は衰弱しており、子猫はウイルスや細菌の感染症状が見られる。近隣からの苦情や餌代等の負担によって当事者の生活が苦しくなっている。このままでは不幸な命が増え続け、当事者もさらに苦しくなるため、どこかで終止符を打たないといけないと指導。
- 頭数がこれ以上増えると周辺環境へ悪影響を与える可能性もあり、早急な対応が必要との判断から申請に至る。
- 申請後に4頭が新たに発見され、実際の猫の総数は14頭であった。14頭のうち10頭は今回配分されたチケットによって不妊手術を完了。残る4頭については追加申請して手術を行う予定である。14頭の猫は引き続き当事者が飼養する。
- 当事者の自宅敷地内や当事者所有の農地に排泄して悪臭等が発生していたが、支援後に頭数分のトイレを設置したことで悪臭等は軽減された。半数近くの猫がトイレを使用している状況である。
- 給餌の回数と1回の給餌の量を増やしたため、栄養失調が改善された。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
1月7日 | 4 | 6 | 0 | 10 |
計 | 4 | 6 | 0 | 10 |
【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
申請時に把握していた10頭については問題なく不妊手術を行うことができたが、申請段階で4頭の猫が把握できておらず、追加での申請が必要となってしまった。
どうぶつ基金スタッフコメント
本件は室外飼育であり、さらに4頭が未手術で残る結果となりました。早急に2回目の申請を行い、全頭の不妊手術を完了していただきたいと思います。支援後は栄養状態が良くなり、健康状態も改善されているようですが、申請前の子猫の状況はひどいものがあります。このような不衛生な環境でひとたび感染症が発生すれば、あっという間に全頭に広がり、体力のない個体は命を落としかねません。多頭飼育救済は不妊手術をして終わりではなく、猫の飼養環境を改善し、当事者と猫の双方が穏やかな生活を取り戻すことが目的です。支援後も定期的な見守り等を行っていただくことを望みます。