51_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.51
申請日:2023年10月16日
申請/実施責任者:鹿児島市 生活衛生課
場所:鹿児島県 鹿児島市
居住者:当事者本人(56歳、女性、無職)
居住環境:持ち家/戸建
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:9頭
手術日:10月31日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:9枚
手術頭数:9頭
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 当事者は自宅の庭先で野良猫に餌やりをしており、4年前にオス猫3頭を保護し、屋内で飼い猫として飼育し始めた。
  2. 2023年夏頃、餌やりをしていたメス猫1頭が妊娠していることに気づいて保護。当事者宅内で子猫5頭を出産し、現在は9頭の猫を飼養している。
  3. 当事者は聴覚障害があるが、市役所の手話通訳者を経由する形で当事者より電話相談があり発覚。
  4. 今後の繁殖を防ぐために不妊手術の実施が必要となっているが、当事者の収入は障害年金のみで金銭的に余裕がない。単身者で身近に頼れる人もおらず、当事者のみで全頭の不妊手術を行うことは困難と判断し、申請を決定した。
  5. 手術前から猫の飼育環境や健康状態には問題がなかった。当事者はこのまま同じ場所に住み続け、飼養を継続する。
手術日 オス メス 耳カットのみ
10月31日 7 2 0 9
7 2 0 9

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
当事者の収入は障害年金のみで金銭的な余裕がなく、猫の不妊手術を実施できずにいたが、どうぶつ基金の支援を受けて短期間で全頭の手術を行うことができた。
探知した当時、当事者には周囲に相談できる人がおらず、猫の事だけでなく生活全般に不安を抱えている状態であったが、今回の支援をきっかけに、障がい者の支援団体と繋がることができ、今後は就労先の紹介を含めて相談にも乗ってもらえることになった。猫の繁殖の恐れもなくなり、相談相手もできたことで当事者も安堵している様子であった。


どうぶつ基金スタッフコメント
本件は当事者宅で繁殖が繰り返されたわけではなく、保護したメス猫1頭が妊娠していたことにより3頭→9頭に増えたものでした。聴覚障害を持つ当事者が自ら相談することは決して簡単なことではなかったと想像しますが、そんな当事者のSOSを受けた行政が素早く対応したことで早期に解決することができました。
もちろん、新たな猫を室内に入れることのないよう定期的な状況確認は必要ですが、生活面の相談ができる支援団体との繋がりもできました。今後はいろいろなサポートを受けながら、猫との穏やかな暮らしを取り戻してほしいと思います。どうぶつ基金の多頭飼育救済は人と動物の両方を救うためのもの。本件はその理念がかたちになったようなケースでした。


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