64_青森県青森市多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 

申請No.64
申請日:2023年3月2日
申請/実施責任者:青森市 生活衛生課
場所:青森県青森市
居住者:当事者本人(73歳、女)、孫(19歳、男、フリーター)
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:11頭
手術日:3月25日
協力病院:八戸のらねこ病院
チケット発行数:11枚
手術頭数:9頭(手術前に2頭がいなくなり手術できず)
協働ボランティア:ワンニャンを愛する会

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2021年3月頃、漁港の船小屋にいた野良猫1頭を保護した。
  2. 1頭だとかわいそうだと思い、もう1頭連れて来たのがメスだった。9カ月後に3頭の子猫が産まれ、さらに4カ月後に4頭産まれた。その後、船小屋からさらに2頭を保護して全11頭になった。
  3. 別世帯の当事者の娘から「実家に猫がたくさんいて不衛生なので引き取ってほしい」と保健所に相談があり発覚。猫の譲渡先を探して頭数を減らすこと、不妊手術を行うこと、清掃や飼育環境の改善について指導した。
  4. 当事者宅を訪問した際も猫に交尾行動が見られ、早急に手術をするよう指導していたが、当事者および家族が手術費用を捻出できず申請を決定。
  5. 11頭のうち2頭が手術前にいなくなり、チケットによる手術は9頭となった。その後1頭が戻ってきたが、この猫についてはボランティア団体の協力によって4月3日に手術を行った。
  6. まだ戻ってこない1頭については、戻り次第、ボランティアの費用負担により手術予定である。
  7. 支援後はトイレが増設され、清掃も行われている。猫は外の小屋ではなくすべて室内におり、体調不良等はない。手術後の猫は当事者が飼養するが、譲渡先を探していく。
手術日 オス メス 耳カットのみ
3月25日 4 5 0 9
4 5 0 9

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
多頭飼育であることを把握した時点で、猫を室内に入れるよう話をしていたら11頭すべての猫をスムーズに手術することが可能だったと思われる。しかし、愛護団体の協力もあって、現時点で飼養しているすべての猫に不妊手術ができたことは良かった。


どうぶつ基金スタッフコメント
「1頭では可哀想だから」という安易な理由で、不妊手術もしないまま複数の猫を飼い始めた当事者には当然責任があります。だからこそ、別居している当事者の娘から保健所に入った引き取り依頼に腹立たしさを覚えます。引き取られた猫がどうなるか想像したことはないのでしょうか。飼い主が引き起こしたことのツケを犬猫が命で払う、これが殺処分です。責任を取るべきは飼い主であり猫ではありません。
今回は、行政が当事者を訪問・指導してボランティア団体と協働、どうぶつ基金に支援を申請したことで命を救う方向で解決に向かいました。こういう事例を目にするたび、日本の動物愛護における問題はペットショップやブリーダーなどの動物取扱事業者だけではない、一般の飼い主のモラルにも問題があるのだと強く感じます。


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