37_沖縄県与那原町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.37
申請日:2021年9月9日
申請/実施責任者:与那原町 生活環境安全課
場所:沖縄県島尻郡与那原町
居住者:当事者本人(49歳、女性)、配偶者(57歳、男性)、長女(22歳)、長男(18歳)、次男(15歳)、次女(12歳)
居住環境:借家/アパート
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:34頭(うち17頭が子猫)
手術日:9月23日
協力病院:TNRなかぐすく
チケット発行数:17頭(成猫17頭分を申請。子猫はボランティア団体が里親を探すために保護)
手術頭数:14頭(手術前に3頭の里親が見つかり譲渡)

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 約6年前、娘が拾ってきた1頭の猫を室内外で飼育。
  2. 約6年間で親が子を産み、子が子を産み、気が付くと34頭まで増えていた。
  3. 不妊去勢手術は費用が高額なためこれまで未実施である。
  4. 当事者の友人がこのままだとずっと増え続けるのでどうにか力をかしてほしいと、ボランティア団体(琉球わんにゃんゆいまーる)に相談し発覚した。
  5. 部屋の一室に猫やケージが密集しており、1つのケージに4~5頭が収容されている状態。
  6. 沖縄県猫の適正飼育ガイドライン」に沿って飼育方法を見直すよう指導を行ったが、当事者だけで解決するのは難しいと判断。今後の飼育方法を見直すことを条件に申請に至った。
  7. 手術後は部屋の清掃も行われ、手術前よりは臭いもなく衛生環境が改善。歩くスペースやトイレ、餌やりのスペースも確保できた。
  8. 現在は1つのケージに1~2頭と収容される猫の数も減り、ある程度ストレス等が軽減された。
  9. 子猫17頭にくわえて手術済みの成猫5頭の合計22頭をボランティア団体が保護し、すでに20頭は譲渡済である。手術済みの9頭が当事者宅へ戻った。
  10. ボランティア団体が保護した子猫17頭については、今後、里親にて不妊手術を実施する予定である。
  11. 当初の34頭から9頭と当事者が飼育する猫の数は大幅に減ったことで適正に飼育できると思われるが、状況によってはボランティア団体と協力し、再度里親を探して譲渡することも検討している。
手術日 オス メス 耳カットのみ
9月23日 5 9 0 14
5 9 0 14

【現場写真(支援前)】

↑すでに生まれていた17頭の子猫

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
チケットの申請から施術及び実績報告まで短期間でスムーズに実施できた。


どうぶつ基金スタッフコメント
手術前の写真を見てください。小さなケージのなかに猫が4頭から5頭…。
ほとんど身動きの取れない状況でどれだけのストレスがかかっていたことでしょうか。もとは34頭でしたが、手術後に現場に戻ったのは9頭。現在は1つのケージに1頭から2頭ということですが、それでも十分なスペースは確保されていません。
令和3年6月に施行された飼養管理基準では、ケージについて、猫の場合はタテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の3倍以上)、1つ以上の棚を設け2段以上の構造とすることが求められています。さらに、複数飼養する場合は、各個体に対する上記の広さの合計面積と最も体高が高い個体に対する上記の高さが必要です。これは動物取扱業向けの基準ですが、猫を飼養するうえでの最低限の基準です。つまり、今もなお最低限の基準をクリアできていません。
不妊手術が完了し20頭がすでに譲渡されるなど状況は大きく改善されましたが、現場に残った猫たちの飼育環境改善という課題はまだ残っています。行政には、定期的な飼養状況の確認と適正飼育に関する指導を継続して行っていただくよう求めます。


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