31_群馬県安中市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.31
申請日:2023年7月13日
申請/実施責任者:安中市 環境政策課
場所:群馬県 安中市
居住者:当事者本人(69歳、男、無職)
居住環境:貸家/アパート集合住宅
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:23頭(21頭で申請するも実際は23頭だった)
手術日:7月29日
協力病院:ふー動物病院 群馬分院
チケット発行数:21枚
手術頭数:21頭(チケットが不足した2頭についてはボランティア団体の費用負担により手術済み)
協働ボランティア:NPO法人群馬わんにゃんネットワーク

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2012年頃から外猫1頭に餌を与えはじめ、半年ほど前から10頭以上に増加した。
  2. 近所からの苦情があり室内で飼育を始めた。不妊手術を行っていなかったため、最近の繁殖による頭数増加で自分ではどうにもできない状況にまで増えていった。
  3. 社会福祉協議会からの情報提供により発覚。
  4. 全頭不妊手術をしておらず、猫の管理が行き届かなくなる恐れがある。さらに猫が増えることは当事者にとっても好ましくない状況であり、当事者は経済的にも手術費用を捻出することが難しいため申請に至る。
  5. 当事者宅の床下に穴が開いていたこともあり、正確な頭数が把握できておらず、21頭で申請するも実際の総数は23頭だった。申請前に妊娠中と判明した猫1頭は急を要したため、ボランティア団体が費用を負担して手術を実施。またチケットが不足したもう1頭についてもボランティア団体が手術費用を負担し、全23頭が手術済みとなった。
  6. 室内が整然となり悪臭が軽減し、猫もストレスがない様子。床下の穴も塞ぎ、ダンボールで作成したキャットハウスも新しくなって住環境も改善された。当事者と猫は今後も同じ場所に住み続ける。
手術日 オス メス 耳カットのみ
7月29日 8 12 1 21
8 12 1 21

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
妊娠中であった猫を先行で不妊手術するなど、ボランティア団体と連携をとり進めることができた。相談を受けてからTNRまで迅速に対応できたことが高評価である。


どうぶつ基金スタッフコメント
近所からの苦情があり猫を室内に入れた-。
これは多頭飼育崩壊のきっかけとして数多く報告されています。地域猫や野良猫に餌をあげている人に対して「餌をあげるなら家に連れて帰れ」等の要求をする方が増えています。一部ではありますが「餌をやった時点で飼い猫だ」とその責任を餌をあげている人に押し付ける行政もあります。
その結果がこれです。
飼い主のいない猫の問題は地域の問題であり、餌をあげている人に問題の責任を押し付けても解決することはなく、時に本件のように「多頭飼育崩壊」に形を変えて新しい問題となります。行政には、その点を踏まえた対応をしていただくことを要望するととともに、動物愛護団体としてさらにこの点を啓発していかなければならないと感じました。


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