19_福岡県篠栗町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.19
申請日:2021年7月5日
申請/実施責任者:篠栗町
場所:福岡県篠栗町
居住者: 当事者本人(81歳、女)、息子(52歳、会社員)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:50頭
手術日:8月22日、25日
協力病院:どうぶつ基金病院(福岡)
チケット発行数:40枚
手術頭数:26頭(連日の大雨により14頭が捕獲できず)
協働ボランティア:動物愛護団体うみねこ

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 2~3年前に迷い込んできた野良猫1頭にエサをあげたことがきっかけ。
  2. 最初は野良猫1頭だけだったが、徐々に増えて2~3年ほどで50頭になってしまった。
  3. 頭数が増えすぎて金銭的な負担からお世話ができなくなったと、当事者が粕屋保健福祉事務所に相談したことから発覚した。
  4. 粕屋保健福祉事務所が当事者に聞き取りを行ったのち町へ相談。
  5. 保健所は飼い猫としての有料引き取りを提案したが、当事者に引き取り料を支払うことは難しく、何より猫の殺処分を望まなかった。
  6. 猫に不妊手術をして繁殖を止めた後は当事者が猫のお世話をするとして、どうぶつ基金への支援申請をしてほしいと保健所から町へ依頼があり申請に至った。
  7. 2日に分けて26頭の手術を行うことができたが、連日の大雨により14頭が捕獲できず未手術となった。
  8. 13頭をボランティア団体が保護し、6頭が譲渡され、現場には約20頭が残っている。
  9. 手術後も室内外を行き来する猫がいるため、室内で飼育するようにしてトイレの数も増やしていく。病院の受診、多頭によるストレスを軽減するための性格による分類や距離感を保てるスペースを確保する等、飼育環境を改善中である。
  10. 当事者はこのまま猫のお世話を続けるが、頭数を少しでも減らすため、健康チェックをした猫から譲渡会に参加予定。
  11. 屋外にいる猫の頭数が不明であることから、現場に残る猫は約20頭とした。近隣に野良猫が多く生息し、行き来している猫もいる。
  12. 【追記】残った猫の不妊手術を完了するため2回目の申請を行っていたが、譲渡された子猫のうち3頭がFIP(猫伝染性腹膜炎)で死亡し、別の子猫2頭もFIPと診断。現場では成猫も何頭か亡くなって数が減っており、調査はしていないもののFIPが死因の可能性が高い。手術会場での伝染病まん延防止の観点から、残念ながら2回目の支援は中止となった。
手術日 オス メス 耳カットのみ
8月22日 3 13 0 16
8月25日 4 6 0 10
7 19 0 26

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
大雨により目標頭数の捕獲ができなかったが、手術が実施できた猫については動物愛護団体のご協力もあり、環境は改善に向かっていると思われる。2回目の支援が中止になったことは残念だが、他にも野良猫が多くいる場所があり、今後も行政枠で取り組んでいきたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
伝染病が見つかったことから2回目の支援は中止となりました。
どうぶつ基金病院は診療日が限られており、短期間に多数の猫が搬送されます。最後まで受け入れを模索しましたが、手術会場での感染を防止するには断念せざるを得ず、これまで問題解決に尽力されていた篠栗町やボランティア団体のご希望にお応えできなかったことが本当に残念でした。
今回のケースで一番の問題点は保健所の最初の対応です。当初、当事者は自宅に集まってくる野良猫に餌をあげていました。金銭的な負担が増えたことで相談したところ、飼い猫としての有料引き取りを提案されています。はたして、この時点で当事者に猫を飼っている意識はあったでしょうか?恐らくなかったと思います。
山梨県甲斐市のレポートでも書きましたが、「餌をやっているからあなたの飼い猫だ」として対応をせまるやり方は間違っています。保健所が次の対応として町に支援申請を要請したことで猫たちは殺処分を免れましたが、有料で引き取って殺処分で解決する方法はあまりに安易です。多頭飼育崩壊の対応に悩んでいる行政の皆様、どうか、殺処分による解決ではなくどうぶつ基金の多頭飼育救済を利用してください。


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