猫の楽園が「さくらねこの楽園」に!青島での一斉手術を終えて

人口6人、猫200頭以上!瀬戸内の猫島「青島」全頭に無料で不妊手術を行いました。

こちらの記事でご報告した通り、どうぶつ基金は、10月2日から4日の間に、猫の楽園として世界的に有名な愛媛県大洲市の青島において、無料の出張不妊手術を行いました。

3名の獣医師と、愛媛県内から参加してくださったボランティアの皆様、そして今回の手術の実現に尽力して頂いた大洲市の皆様のおかげで、たった1日で手術を終えなければならないという緊迫した状況の中、172頭の猫への不妊・去勢手術を無事に終えることができました。

猫をケージに入れるどうぶつ基金理事長・佐上(手前)

大洲市からは、複数の職員の方、そしてこの活動の実現を大きく後押しくださった弓達市議に参加頂いきました。

最初に青島での一斉手術の話が持ち上がってから実に5年。この間、青島に足しげく通い、無料手術の実現に向けた働きかけを根気よく続けてくださったのは弓達市議でした。当日は、ボランティアの皆さんや大洲市職員の皆さんに交じって猫の捕獲を行って頂きました。

さらに、大洲市には、獣医師、どうぶつ基金スタッフの連絡船の渡航・宿泊費用の資金をご負担頂きました。地元行政による宿泊費の負担はどうぶつ基金の長い出張手術の歴史の中でも初めてのことで、大洲市が今回の一斉手術の実現に並々ならぬ思い入れをもって取り組んでくださったことがわかります。

捕獲器を設置する大洲市の弓達議員。どうぶつ基金のTシャツを着用くださっています

青島は観光客に人気の「猫の島」だけあって、人馴れしている猫が多く、捕獲も最初は大変スムーズに進みました。

しかし、人懐っこい猫が一通り捕まると、あとには警戒心の強い猫が残ります。

それでも、えさを入れた捕獲器や網を巧みに使い、捕獲に慣れたボランティアの皆さんが活躍してくださったおかげで、当初の予想を上回る210頭の猫を収容することができました。

このうち、手術済みであった猫にはワクチン投与とノミダニ駆除を行い、未手術の172頭には不妊・去勢手術とワクチン投与・ノミダニ駆除を実施しました。

3名の獣医師がそれぞれ手術を進める

10月3日、午前中から手術が始まって数時間。台風の影響で翌日午後の船が欠航になる可能性が高まったことを受け、急きょ、手術会場に泊まり込んで翌日朝までに全ての手術を終えることになりました。

この急な変更にも3名の獣医師は冷静に対応し、午後10時までには全ての手術が完了しました。

夕方の便で愛媛県内の自宅に戻るはずだったボランティアの皆さんのうち半数ほどが、家族に電話をして事情を説明して島に残り、獣医師の作業をスムーズに進めるための猫の運び込みや毛刈り、耳カット、手術台の準備、ノミダニ駆除薬の投与などを行ってくださいました。

無事にこの日のうちに手術を終えることができたのは、長時間の手術にも文句ひとつ漏らさず真摯に対応くださった獣医師とボランティアの皆さんのおかげです。

夜が更ける中、ボランティアさんたちにも真摯にご対応いただきました

一夜明けた10月4日、早朝。手術台や器具を片付けて会場を撤収し、いよいよ、麻酔からさめた猫たちを放す時が来ました。

さくら猫に生まれ変わった青島の猫たちが、おのおのの住みかへと帰っていきます。

ある猫はケージが開いたとたん一目散に駆け出し、またある猫は、とまどったようになかなかケージから出ません。ケージから出てもそのまま近くに残り、人の足にすり寄る猫もいました。

これからはさくらねことして、それぞれの猫が元通りに青島で暮らしていくのです。

手術の翌朝、ケージを開けて猫を放す

5年越しの一斉手術は、すべての関係者にとって大変感慨深いものとなりました。

朝の便で青島を去る私たちを見送りに、島で猫の世話を続ける住民の方が船着き場に来てくださいました。

これほどの数の猫の世話をすることも自分にとっては当たり前のことだと語ってくれたこの女性は、仔猫が雄猫に殺されたりといった残酷な光景を何度も目にしてきたと言います。

島中の猫がさくらねこになった今、そのような悲惨な光景をもう誰も見なくて済むのです。

青島を去る船を見送りに来てくれた住民女性(右)

実現までに5年を要したことからもわかるように、一斉手術には青島の住民全員が初めから賛成していたわけではありません。不妊去勢手術そのものに対しても、賛否が分かれるのが事実です。

それでも、この女性が本当に嬉しいと言って涙を流し、私たちを乗せた船が見えなくなるまで大きく手を振って見送ってくれたあの光景を思うだけで、この活動が確かに正しいものだったのだと信じることができます。

帰りの船では、涙を流すボランティアの方の姿もありました。

不妊・去勢手術を受けてさくらねこになった青島の猫

すべての参加者がひたむきに取り組んだ青島での3日間が幕を閉じ、青島は「さくらねこの楽園」に生まれ変わりました。

世界的に有名な「猫島」である青島で一斉手術が行われたことは、人口たった6人のこの小さな島にとどまらず、日本中ひいては世界中に、猫との共存の一つのあり方としての一斉TNRを提示する、意義深い一歩であるように思います。

どうぶつ基金は今後も、全国で行政やボランティアの皆さんと一緒に活動を続けていきます。

皆様の日頃のご支援ご協力、誠にありがとうございます。

公益財団法人どうぶつ基金

地元ケーブルTV「ねこワン」青島さくらねこTNRの活動の特集番組です。

 


主 催:公益財団法人どうぶつ基金
申請者:青島の猫を見守る会
日 程:2018年10月3日
会 場:長浜町青島の市青島コミュニティセンター
獣医師:山口獣医師、足立獣医師、齊藤獣医師
診療:不妊手術(オス・メス)、3種混合ワクチン、補液、
ノミ、ダニ・回虫の駆除(レボリューション)、負傷治療など
診療以外:耳先のV字カット(さくら耳)、爪切り、耳掃除、ブラッシングなど
手術数:172頭


全国から殺到する無料不妊手術の要請に対して資金不足は深刻です。また今回のように予定変更があると、航空券のキャンセル、チケットの再購入等で多額の費用がかさなってしまいます。十分な獣医療のためのお金が足りません。産まれてすぐに殺される、そんな悲劇をゼロにするために、皆様の温かいご支援を願いいたします。
さくらねこサポーターに参加してあなたの力を分けてください。
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「さくらねこサポーター」は、毎月2,222円から継続的にさくらねこTNR無料不妊手術の取り組みを応援いただく仕組みです。

全国から殺到する無料不妊手術の依頼に資金が追い付きません。
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