18_埼玉県川口市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.18
申請日:2025年7月10日
申請/実施責任者:川口市 生活衛生課
場所:埼玉県川口市
居住者:当事者本人(54歳、女、無職)、夫(48歳、在職中)
居住環境:貸家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):12頭(3頭)
手術日:8月24日
協力病院:ライト動物病院
チケット発行数:12枚
手術頭数:4頭(保護や行方不明等により子猫3頭+成猫5頭の計8頭がチケット未使用となった)
協働ボランティア:かわぐちアニマルサポート
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 15~16年ほど前に当事者の娘が野良猫を1頭拾ってきた。不妊手術をしておらず繁殖していたが、譲渡先を見つけて頭数管理ができていた。
- 2年ほど前に夫が野良猫を2頭引き取ったことから、元々いた猫と繁殖を繰り返して多頭飼育崩壊に至った。
- 当事者の娘(現在は別居)は猫の餌代や新しい飼い主探しに協力していたが、猫アレルギーであることや金銭的な負担が大きくなったでボランティア団体に相談して発覚。発覚時に11頭いた子猫のうち、猫風邪症状が出ていた8頭は団体が引き取った。
- 多頭飼育の届け出、居住スペースの清掃のほか、雌雄を分けて飼養をするよう指導するも実現は困難であった。
- 当事者には全頭の不妊手術を行う経済的余裕がなく、このまま放置すれば頭数がさらに増加する恐れがあったため申請を決定。
- 12頭のうち4頭はチケットを使用して不妊手術済み。未手術8頭のうち、子猫3頭はボランティアが保護しており、不妊手術後に譲渡予定である。成猫3頭は妊娠しており出産の可能性があったため、ボランティア団体の費用負担により不妊手術済み。残る成猫2頭は逸走して行方不明となっている。
- 申請当初、手術後の猫は当事者宅に戻して譲渡先を探す予定であったが、当事者の事情が変わったためボランティア団体による全頭保護となった。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 8月24日 | 3 | 1 | 0 | 4 |
| 計 | 3 | 1 | 0 | 4 |
【現場写真(支援前)】


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
どうぶつ基金様とライト動物病院様のご協力により、不幸な子猫が産まれる前に対応できた点は良かったですが、逸走して手術ができなかった猫がいたことが反省点です。当事者に生じた事情が原因の1つですが、当事者との連絡をさらに密に行う必要があったと感じています。
どうぶつ基金スタッフコメント
完全室内飼育であったにもかかわらず、2頭の猫が逸走して行方不明となってしまいました。これから厳しい冬がやってきますが、その2頭が心配でなりません。もし発見された場合には、不妊手術や保護等、適切な対応を取っていただくことを望みます。この2頭を除く子猫を含めた10頭はボランティア団体が保護しました。今後、適切な環境のもとボランティアのお世話を受けながら新しい飼い主を待ちます。
当事者は不妊手術をせず、譲渡先を探しながら頭数管理をしてきたとのこと。猫の繁殖力を考えれば、こんな方法では必ず破綻します。なぜ最初の1頭を不妊手術しなかったのか、その1頭だけであれば費用も負担できたはずです。こういった人間の無知が猫を苦しめます。命を預かる飼い主として「知る」ことはとても大切なのです。まだまだ啓発が不足していることを実感した件となりました。



