6_鹿児島県指宿市多頭飼育救済レポート(行政枠)

申請No.6
申請日:2025年4月10日
申請/実施責任者:指宿市 環境政策課
場所:鹿児島県指宿市
居住者:当事者(69歳、女、正社員)
居住環境:アパート/集合住宅
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):29頭(0頭)
手術日:6月24日、6月27日、6月30日
協力病院:くすのき動物病院
チケット発行数:9枚(手術済み20頭を除く9頭分を申請)
手術頭数:8頭 (1頭が飼育場所から逃げ出してしまい行方不明となった)
協働ボランティア:個人ボランティア  

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 10年ほど前、職場付近で捨てられたと思われる猫2頭を保護して飼い始めた。この2頭はすぐに不妊手術を行った。
  2. その後も職場付近に捨てられた猫を保護し続けたことで、毎年1~3頭ペースで増えていき最終的に29頭となった。職場付近は民家がなく人目につきにくい場所であるため捨て猫が多い。
  3. 当事者宅では飼えないため職場の敷地(小屋)を借りて飼育しており、20頭くらいまでは保護するたびに不妊手術を行っていたが、頭数が増えるにつれて餌代や入院代の負担が大きくなって手術費用が捻出できない状態となった。
  4. 市の窓口に「捨て猫を保護しているが数が増えすぎてしまい不妊手術ができなくなった。市の制度を活用できないか確認してほしい」と当事者から相談があったことにより発覚。
  5. 餌皿やトレイはきちんと準備され、皿等もきれいな状態であった。未手術の猫はケージを分けて飼育されていたが、捨て猫がいればさらに保護しそうな状況であったため、これ以上、猫を増やすことはしないよう指導した。
  6. 大きめの部屋や個別のケージで猫を分けて飼育しているものの29頭は頭数として多く、未手術の猫がいるため今後の飼育に影響が出る可能性も考えられた。
  7. 当事者は善意から付近の猫を保護しており、それは野良猫の増加等への抑止にもなっている。また、現在の29頭については終生飼養の意思を示していたことから申請を決定した。
  8. 現場の猫の総数29頭のうち20頭はすでに手術済みであったため、未手術9頭分のチケットを申請。8頭はチケットにより手術済みとなったが、1頭が逸走により行方不明となってしまい手術ができなかった。
  9. 手術済みであった猫のうち2頭が亡くなり、逸走して行方不明の1頭を除いた26頭が現在の飼育場所でこのまま暮らす。
  10. 室内外ともに清掃されており、異臭等は感じられず。トイレも適切な数が設置され、清潔に保たれている。飼育小屋も十分な広さが確保され、運動するスペースが増えて猫のストレスも軽減された。猫の健康状態も良い状態であると感じている。

手術日オスメス耳カットのみ
6月24日2103
6月27日3003
6月30日2002
7108

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
多頭飼育救済事業の申請窓口として、当事者やボランティアの方と連絡をとり、円滑に事業を遂行できたと思う。
一方で、手術予定の猫が行方不明となりチケットが1枚未使用となったのは反省点である。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は職場付近で捨てられた猫を保護し、自力で不妊手術を行っていました。頭数が増えたことによって経済的に立ち行かなくなってしまいましたが、未手術の猫をケージで分けて飼育するなど、猫の繁殖力への理解もあるように感じられます。これまで懸命に努力をされ、自発的に行政へ相談された経緯を見れば、この段階で支援ができたことは本当に良かったと感じます。
動物の遺棄は犯罪です。まして、人家のない地域に遺棄するなど本当に卑怯なことです。当事者に命を救われた猫はほんの一握り、見つけてもらえず亡くなってしまう猫の方が多いでしょう。腹立たしい限りですが、この地域には行政による強い啓発とTNRへの支援が必要です。そうでなければ、簡単に命を捨てる人間のツケを、当事者のように見捨てておけない優しい人間が背負ってしまうことになります。行政にはぜひこの点についても取り組みを強化していただきたいと思います。


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