1_福岡県うきは市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.1
申請日:2025年4月1日
申請/実施責任者:うきは市 市民生活課 生活環境係
場所:福岡県うきは市
居住者:当事者本人(67歳、女、パート)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):27頭(2頭)(当初21頭で申請するも、実際は27頭であった)
手術日:4月15日、5月16日、6月17日
協力病院:にじのはしスペイクリニック福岡分院
チケット発行数:21枚(子猫2頭を除く21頭分を申請)
手術頭数:19頭(2頭は捕獲できず)
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 10年前に娘が1頭、野良猫を拾ってきたことがきっかけ。
  2. 不妊手術をしないまま飼っており、屋内外を行き来できるようにしていた。ある日その猫が妊娠しているのがわかり、子猫が3頭(メス2頭、オス1頭)が生まれた。メス1頭はすぐに亡くなったが、8年前から、もう1頭いたメスが子猫を産み、どんどん頭数が増えてしまった。現在は少なくとも21頭いる。当時は当事者の夫もいたが、金銭的な面で不妊手術を受けさせることができずに、現在の飼育状態に至る。
  3. 当事者が市役所窓口に来庁し相談。市役所職員と保健所とで現地確認をして多頭飼育が発覚した。
  4. 申請に至るまでに、飼っている猫の頭数把握をする、餌を常時置いたままにせず食べきっていなくても時間を決め餌を片づけるようにする(頭数把握のため)、繁殖の時期が迫ってきていたためオスとメスを分けて飼育する、トイレの数を増やす、室内飼育と飼い猫以外の餌やりについて、野良猫と飼い猫の判別をするよう指導した。
  5. 飼い猫は室内、敷地内の小屋に少なくとも合計21頭確認している。夫は亡くなってしまったため、現在は当事者1人で飼育しており、動物の餌や衛生用品にかかる費用をはじめとする飼育コストにより当事者の経済状況を圧迫しており、不妊手術を受けさせることができない状況にある。さらに敷地内の小屋で飼育している猫が、当事者に懐いておらず、家の中に入れることが困難であり、自由に小屋と外を行き来できる状態である。すでに繁殖期に入っていることから、一刻も早く不妊治療を受けさせないと、子猫が生まれ、より深刻な状況になりかねないと思い、多頭飼育救済の申請を決定した。
  6. 当初申請した21頭のうち、2頭は幼齢のため手術できず、2頭は捕獲できずそのまま行方不明となり、19頭はチケットを利用して手術済み。また室内外で飼育していたこともあり、しばらく姿を見せなかったが支援後に戻ってきた猫が4頭おり、実際には総数は27頭であった。
  7. 戻ってきた4頭については当事者負担で手術済み。子猫2頭については、手術可能な10月頃に当事者負担で不妊手術を行う予定である。猫たちは今後も当事者宅で暮らす。
  8. 手術後、猫の健康状態に変化はない。布団や不要物が大量にあった倉庫と二階の部屋は清掃し、不要物を処分した。トイレは4つ増加。部屋の清掃をしたことで飼育環境は申請前より改善している。
手術日オスメス耳カットのみ
4月15日3609
5月16日2406
6月17日1304
613019

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
1人ではどうしようもなかったため、市に協力してもらい目標の頭数に近い数の手術ができたことがよかった。


どうぶつ基金スタッフコメント
当事者が市に相談したことで今回の支援につながり、行方不明になった2頭を除いて全頭手術済みとなりました。多頭飼育崩壊の解決には「すぐやる・全部やる」が鉄則です。1頭でも未手術の猫が残れば、あっという間に元通りになります。当事者には、行方不明の猫が戻ってきた際には必ず不妊手術を行っていただきたいと思います。また、多頭飼育崩壊に陥った経緯をみると今後も注意が必要です。同じことを繰り返さないよう、行政には今後も状況確認や見守りを続けていただきたいと思います。


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