38_山梨県甲州市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.38
申請日:2024年10月25日
申請/実施責任者:甲州市役所 環境課
場所:山梨県甲州市
居住者:当事者本人(63歳、男、事業主)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):35頭(10頭)
手術日:1月9日
協力病院:ふー動物病院 山梨分院
チケット発行数:35枚
手術頭数:32頭(1頭行方不明、2頭妊娠の可能性があり先行して手術を行ったため3枚未使用)
協働ボランティア:NPO法人ねこともやまなし(チケット使用頭数を31頭と記載しているため修正依頼中)
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 4年前くらい前、知人から2頭(オス1頭・メス1頭)の猫を譲り受けた。
- その2頭の間で子猫が生まれ、高額な手術費用を躊躇している間も餌を与え続け、さらに野良猫が入り込むようになったことで頭数が爆発的に増えてしまった。
- 2024年10月上旬、当事者宅を検針で訪問している方が異常に気付き、ボランティア団体へ相談したことから多頭飼育が発覚。
- 飼い猫は全頭手術すること、また、今後新たな猫を飼育する場合も必ず不妊手術を行うよう指導を行った。
- 当事者は手術の必要性を認識しているものの、頭数増加によって餌代が高額となり、手術費用を捻出する経済的余裕がない。妊娠中の猫も確認され、これ以上増えると飼養環境の悪化が懸念されることから申請を決定。
- 35頭分のチケットを申請したが、妊娠の可能性があった2頭についてはボランティアの費用負担により先行して不妊手術を実施。1頭が行方不明となったため、3枚が未使用となった。
- 合計34頭(チケット使用:32頭、ボランティア負担:2頭)が手術済みとなり、行方不明の1頭が戻ってきた場合は、当事者が費用を負担して不妊手術を行うことを確約している。
- 手術に合わせて室内外の清掃を行い、臭いについても軽減された。トイレは3個増設して4個とし、敷地が広いため猫の運動スペースは確保できている。術後の猫の体調も変化はない。
- 34頭の猫は、当事者とこのまま同じ場所に住み続ける。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
1月9日 | 16 | 15 | 1 | 32 |
計 | 16 | 15 | 1 | 32 |


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
今回は当事者、ボランティア、市役所の連携がスムーズにいき、無事に手術を終えることができた。ただ、当事者の不妊手術の重要性の認識不足により多頭飼育崩壊に至ってしまったため、引き続き、行政やボランティアによる市民への周知が必要と感じている。
どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育救済支援において何度も口にしてきたことですが、最初に不妊手術をしていればこのような状況に陥ることはありませんでした。雌雄のペアを譲り受け1回目の出産後も不妊手術を躊躇する-、手術費用が高額でないとは言いません。しかし、頭数が増えれば増えるほど飼育費用はかさみ、その金額は最初の頭数の不妊手術費用を大きく超えるはずです。
行方不明の1頭を除いて全頭が手術済みとなりましたが、完全室内飼育ではなく、今後も未手術の野良猫が入り込む余地があります。猫が増えていないか、増えていた場合は指導にそって不妊手術を実施しているか、飼育環境の悪化はないか等、定期的な状況確認を継続していただきたい案件です。また、本件は山梨県の「山梨県動物の愛護及び管理に関する条例」において多頭飼養の届け出が必要なケースに該当していますが、未だ届け出がされておりません。市に対しては当事者に届け出について指導を行うよう申し入れています。