38_鹿児島県霧島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)福本

申請No.38
申請日:2025年10月16日
申請/実施責任者:霧島市役所 市民環境部 環境衛生課
場所:鹿児島県霧島市
居住者:当事者本人(48歳、男、運送業)、配偶者(67歳、女、調理補助)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):51頭(19頭)
手術日:10月31日、11月1日、6日、7日、10日、11日、12日、13日、14日、17日、18日、19日、28日、12月3日
協力病院:加治木動物病院
チケット発行数:31枚(手術済み1頭、幼齢の子猫19頭を除く31頭分を申請)
手術頭数:30頭(手術前に1頭が死亡)
協働ボランティア:霧島にくきゅうくらぶ   

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 9年前にペットショップで猫を1頭購入した。
  2. その後、3頭の猫を飼育していたが、最初の1頭は亡くなり、残る2頭のうち1頭は不妊手術済みであった。
  3. 6~7年前、運送業で働く当事者が運送先の事業所近くにいた野良猫1頭に餌をあげるようになった。その結果、近隣の山林などから野良猫が集まるようになり、どんどん数も増えていった。
  4. 2年ほど前、運送先の事業所が野良猫の被害を受けたこともあり、当事者の会社に野良猫を引き取るよう申し入れがあり、会社側から当事者に責任をもって保護するようにとの指示があった。当時はTNRの知識がなく、相談する保護団体やボランティアもいなかった当事者は、1~2年かけて自力で保護し、自宅の2階3部屋にケージで雌雄を分けて飼養していた。
  5. 先日、オス猫がケージを破壊してしまい子猫が産まれた。現在、成猫が32頭、子猫が19頭にまで増えている。
  6. 当事者の知人の紹介で、保護猫や保護犬を特集するテレビ番組に出演。その際に番組ディレクターが現状を知り、このままでは危険だと感じて市へ相談したことにより発覚。
  7. 飼養環境を清潔に保つこと、また、猫がこれ以上増えないようにケージの補強を行うことを指導した。
  8. 51頭のうち手術済みは1頭のみ。他の猫については、ワクチン接種や血液検査等も行っておらず、病院にも連れていけない状態である。
  9. 餌や飲み水、トイレのお世話は当事者が朝晩行っており、環境は清潔に整えられている。毎日全頭に声をかけ愛情を注いでいるが、短期間で頭数が増えすぎたことによって経済的な負担が大きく不妊手術ができていない。
  10. 雌雄を分けてケージで飼育しており、多頭飼育崩壊とまでは言えないものの、次に子猫が産まれたら崩壊に至るのは明らかであるため申請に至った。
  11. 51頭のうち、すでに手術済みの1頭と幼齢の子猫19頭を除く31頭分を申請。手術前に1頭が亡くなり、残る30頭はチケットによって不妊手術済みとなった。
  12. 頭数の変化をまとめると、申請後に2頭が亡くなり51頭→49頭。さらに子猫4頭が体調不良や栄養失調等で亡くなり49頭→45頭。その後、母猫と子猫を隔離したが、母猫からの攻撃や生育不良、体調不良により12頭が亡くなり45頭→33頭。33頭の猫は今後も当事者が飼養を継続する。
  13. 33頭のうち、幼齢のため手術対象外となった子猫2頭については、譲渡先を探しつつ、手術可能な時期に2回目の申請を検討している。
  14. 支援前から室内は清潔な状態であり、支援後もその状態が保たれている。また、申請時からトイレの数を増やしており、今後も状況を見ながらトイレを増設していく予定。
  15. 手術後、状態が悪そうな猫は見受けられない。隔離が必要な猫以外のケージを撤去したことで、自由に動き回れるようになり運動スペースも確保できた。
手術日オスメス耳カットのみ
10月31日0202
11月1日0101
11月6日0202
11月7日0202
11月10日0202
11月11日0202
11月12日0202
11月13日0202
11月14日3003
11月17日3003
11月18日3003
11月19日3003
11月28日2002
12月3日1001
1515030

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
関係者の協力のもと、申請から手術までスムーズに実施することができた。
飼養環境については、もともと清潔な状態だったが、トイレの数を増やしたり、可能な限りケージを撤去して運動スペースを確保する等、申請前より良い環境にすることができた。
しかしながら、当事者は愛情を持って飼育していたものの、申請後に多くの子猫が亡くなってしまった。多頭飼育救済にあたっては、迅速な対応が大切であることをあらためて実感した。
今後はいち早く救済ができるよう、情報収集に努めたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育崩壊に至るきっかけについて聞き取り調査をしていくと、最初に飼い主のいない猫の問題があったケースは少なくありません。本件もそのケースの一つです。
当事者は運送先の事業所で野良猫に餌やりをしていました。もちろん、他者の敷地内において許可なく餌やりをしていた点は問題があったかもしれません。しかし、会社は飼い主ではない当事者に対して「責任をもって保護するように」と指示を出しました。これは一体、何の「責任」でしょうか。
もともと近隣に多くの野良猫がいたと推察され、明らかに地域の問題です。運送先が、会社が、そして近隣地域が自分事として考えていれば、多頭飼育崩壊は起きなかったかもしれません。そして猫が増えるのは餌をやるからではなく、不妊手術をしないからです。飼い主のいない猫の問題を根本的に解決するにはTNRを進めること、そして、誰かに責任を押し付けるのではなく、それぞれが自分事として考えることが求められます。
この頭数を飼育していたにしては環境はある程度整っており、当事者もできる限りのお世話をしていたことが伝わります。支援を目の前にして、子猫16頭を含む18頭が亡くなってしまったことは大変残念ですが、残る33頭は引き続き当事者が飼養します。当事者には、今回のことを教訓として、譲渡も検討しながら猫たちが健やかに過ごせるよう努めていただきたいと思います。


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