55_鹿児島県肝付町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.55
申請日:2025年12月5日
申請/実施責任者:肝付町 住民課 年金環境衛生係
場所:鹿児島県肝属郡肝付町
居住者:当事者本人(60歳、女、無職)
居住環境:貸家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):8頭(4頭)
手術日:1月28日、2月25日
協力病院:中村動物病院
チケット発行数:8枚
手術頭数:3頭(手術前に5頭が譲渡されたため)
協働ボランティア:なし
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 5、6年前に知人から3頭を譲り受け、2024年の12月頃までは3頭のみを飼育していた。
- 2025年1月頃に3頭のうち1頭が脱走して行方不明となり、残りの2頭から子猫が生まれて現在の8頭となった。
- 当事者が利用している支援事業所の支援員から相談があり発覚。
- 飼育頭数に対してトイレの数が少ないため増設すること、また、窓が開けっぱなしであったため、猫が脱走した過去もあることから扉や窓の開閉についても注意することを指導した。
- 当事者は知的障害があり、仕事ができていない状況である。障害年金を受給しているものの、年金だけで全頭の手術費用を負担することは難しく、また、効率的に手術を進めることができるよう申請を決定。
- 全頭分のチケットを申請したが、手術前に5頭が譲渡された(すべて譲渡後に不妊手術が行われたことを確認済)。当事者宅に残った3頭についてはチケットを使用して不妊手術が完了した。
- 完璧ではないが、清掃状況や臭いについて改善されており、餌やトイレについても都度交換をしている様子である。
- 猫の健康状態は支援前から良好であり、支援後も特に変化は見られなかった。
- 譲渡によって頭数が減り、トイレも増設されたため、1頭あたりの負担も軽減しているのではないかと感じている。3頭についてはこのまま同じ場所で当事者と暮らす。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 1月28日 | 1 | 1 | 0 | 2 |
| 2月25日 | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 計 | 2 | 1 | 0 | 3 |
【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者は自分で管理できる頭数のみを受け入れ、譲渡という方法で猫も当事者も負担が少なくなるような選択ができたことは良かったと思う。残った3頭の猫としっかり生活ができるよう指導を行っているが、まだ完全ではないため引き続き指導、観察を行う。
どうぶつ基金スタッフコメント
支援員の方からの相談がきっかけで支援につながりましたが、5頭の猫が譲渡され、当事者宅に残る3頭も手術済みとなったことで、猫にとっても当事者にとっても良い結果になったと感じます。飼養環境の改善など今後の課題も残りますが、その点については、行政が継続して関わることによって解決できる可能性が高いのではないでしょうか。
本件のようなケースを見ていると、やはり多頭飼育の問題を解決するには、動物への対応だけではなく人への対応、特に福祉面でのサポートが必要であることを実感します。環境省が公表している「多頭飼育対策ガイドライン」でも、動物愛護管理、社会福祉、公衆衛生などさまざまな分野の関係者が連携して対応しなくては解決が困難であることが記載されています。多頭飼育崩壊はもはや「飼い主だけの問題」ではなく大きな社会問題です。私たちも行政もこれまでの認識をあらためて対応する必要があります。



