28_富山県立山町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.28
申請日:2025年9月2日
申請/実施責任者:富山県動物管理センター
場所:富山県立山町
居住者:当事者本人(78歳、男性、無職)、妹(71歳、女性、無職)、息子(49歳、男性、大工)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):27頭(19頭)
手術日:10月6日、10月10日
協力病院:滑川さくらねこ動物病院
チケット発行数:23枚(手術済み4頭を除く23頭分を申請)
手術頭数:22頭(子猫1頭が行方不明となり手術できず)
協働ボランティア:富山ねこの会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 5~6年前、近隣のお寺に迷い込んだ猫1頭(オス)が当事者宅に居つくようになった。
- そのオス猫1頭に、野良猫のメス猫1頭が寄ってくるようになり子猫を出産。2024年までは10頭を超えることがなくお世話できていたが、2025年の春には20頭ほど子猫が生まれて頭数が一気に増加した。
- 8月4日に射水市社会福祉協議会からセンターに「猫が増えていっている家がある」との相談が寄せられたことから発覚。相談時で成猫が8頭、子猫が20頭ほどいるとのことであった。
- 早急に成猫8頭の不妊手術を実施するよう指導。頭数が多いことから子猫については譲渡先を探すように伝え、県HPの譲渡仲介制度で掲載することも可能と案内した。
- 成猫8頭のうち4頭がメスですべて妊娠中であったことから、急遽その4頭については当事者の費用負担で不妊手術を実施。しかし、当事者と妹は年金生活者であることから残る成猫の手術費用を負担することが難しく、また、同居の息子についても、自分の家族の生活費等が必要で手術費用を援助することは困難であった。
- 子猫19頭は、ボランティア団体の協力を得て譲渡先を探すことになっているが、収容スペースが不足しており、さらに子猫がすでに4~5か月齢となっていることから早急に手術を実施した方がよいとの考えから申請を決定。
- 全27頭のうち、先に手術を行ったメス4頭をのぞく23頭分を申請。子猫1頭が行方不明となってしまったが、残る22頭の手術は無事に完了した。
- 支援前からきちんと清掃されており衛生環境は問題ない。術後の猫の状態も悪くなく、トイレの数が増えたことで飼育環境はより改善された。
- 手術済みの子猫18頭のうち10頭を協働ボランティアが保護、4頭を県が引き取った(2025/12/23確認。県が引き取った4頭についてはすでに譲渡済み)。成猫8頭と子猫4頭は今後も当事者が飼養を継続する。
| 手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 10月6日 | 10 | 10 | 0 | 20 |
| 10月10日 | 2 | 0 | 0 | 2 |
| 計 | 12 | 10 | 0 | 22 |
【現場写真(支援前)】


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
5月頃の出産で急激に猫の頭数が増えたことを探知して指導を行ったが改善されず、8月末にはさらに4頭が妊娠するという状況になってしまった。8月になる前に猫の状況を確認するなどしていれば、申請時も余裕をもって対応できたと考えられる。
また、申請の際には多くの人がかかわるため、関係者間では対面でしっかり話し合うことがスムーズに進めるためには重要だと感じた。手術後の子猫について、当初は全頭をボランティアが保護して譲渡先を探すという話であったが、最終的には難しく、一部が県の引き取りと飼い主への返却ということになった。
どうぶつ基金スタッフコメント
子猫が20頭いたことを考えると、ここで食い止めることができて本当に良かったと思います。
行方不明になってしまった子猫は残念ですが、残る猫はすべて手術済みとなり、14頭の子猫が県とボランティア団体に引き取られました。県が引き取った4頭はすでに譲渡されています(2025/12/23確認)。当事者宅には12頭の猫が残りますが、支援前から室内の清掃は行われており、支援後にトイレを増設するなどして飼養環境も改善されています。12頭の猫が健やかに穏やかに暮らしていけるよう、当事者には飼い主としての責任を最後まで全うしていただくことを強く願います。
猫の繁殖力は強く、多頭飼育崩壊の現場において「様子を見る」という選択肢はありません。不妊手術を「すぐやる・全部やる」が状況の悪化を防いで解決に向かう唯一の方法であり、どうぶつ基金の多頭飼育救済はもっとも有効な手段です。多頭飼育崩壊の問題に直面している自治体の皆様には、躊躇することなく速やかに申請していただきたいと思います。
※どうぶつ基金の多頭飼育救済では、行政施設(保健所や動物愛護センター等)が支援後の犬猫を引き取る場合、譲渡先が決まらない場合も殺処分を行わないことを確約いただいています。



