51_青森県東北町多頭飼育救済レポート(行政枠)  

申請No.51
申請日:2025年1月8日
申請/実施責任者:東北町 保健衛生課
場所:青森県上北郡東北町
居住者:当事者本人(55歳、女)、配偶者(58歳)
居住環境:貸家/集合住宅
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):68頭(10頭)(55頭で申請するも実際は68頭であった)
手術日:3月1日、3月2日
協力病院:八戸のらねこ病院
チケット発行数:55枚
手術頭数:55頭
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2015年5月頃から、野良猫4頭(親猫1頭、子猫3頭)を家に入れ始めた。
  2. 2016年になって親猫1頭のみが家に残り、子猫3頭は家を出てしまった。その後、残った親猫1頭が室内外を行き来して妊娠・出産。2017年以降、室外に出ては妊娠・出産と近親交配を繰り返して増え、現在の状況となっている。
  3. 2024年8月に近隣住民から情報提供があり、当事者宅を複数回訪問するが不在。
  4. 2024年10月、当事者に対して、①飼育環境の改善、②定時と定量の餌やりと餌を出しっぱなしにしないこと、③これ以上頭数を増やさないために、雌雄と子猫の部屋を分けること、④室内への猫の出入りを制限することを指導した。
  5. 当事者及び同居家族が飼育頭数を把握できていない状態。手術を早急にしなければ、更に頭数が増える状況であり、万が一子猫が産まれた場合、成描に食べられてしまう危険性もある。当事者が手術できる頭数でないため、申請に至る。
  6. 55頭で申請していたが、支援時に新たに13頭が発見され総数は68頭となった。55頭はチケットにより不妊手術済となったが、13頭が未手術で残っているため2回目の申請を検討中。猫は全頭、引き続き当事者宅で暮らす。
  7. 支援後はできる限り部屋を分け、一部屋にいる猫の数を減らしている。ケージを立体的に縦に組み、運動スペースと個室も増やした。また、トイレの広さと数を確保するため、衣装ケースをトイレとして設置した。室内は清掃され、悪臭が軽減されている。
手術日オスメス耳カットのみ
3月1日1811029
3月2日818026
2629055

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
13頭の猫を申請時に把握できなかったこと、また、報告の遅れがあったことが反省点である。


どうぶつ基金スタッフコメント
未手術の猫が13頭も残る結果となりました。このままでは、今回の55頭の不妊手術がすべて水の泡となる可能性があり、行政には早急に2回目申請を行うことを求めます。総数が60頭を超えていることから、猫の譲渡も視野に入れつつ、動物愛護センターや保健所とも情報を共有し、協力を得ながら、さらなる飼育環境の改善に努めていただきたいと思います。
行政の報告では、現在の状況に至ってしまったことへの当事者の受け止めや心情が伝わってきません。ただ、不妊手術の重要性を理解しているとは言い難く、同じことを繰り返すことも考えられます。その点を十分にご理解いただき、二度と同様のことが起こらないよう定期訪問による現状確認と指導を継続していただきたいです。


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