「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会(第4回)」レポート

8月30日、環境省の「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会(第4回)」を傍聴してきました。
今日はその時話し合われた内容についてのレポートをお送りします。

動物愛護法の法改正では
1.動物の所有者が遵守すべき責務規定を明確化
2.第一種動物取扱業による適正飼養の推進等
①登録拒否事由の追加
②環境省令で定める遵守基準を具体的に明示
遵守基準:使用施設の構造・規模、環境管理、繁殖の方法等
③犬・猫の販売場所を事務所に限定
④出生後56日(8週)を経過しない犬または猫の販売を制限
3.動物の適正飼養のための規制強化
①適正飼養が困難な場合の繁殖防止の義務化
②都道府県知事により指導、助言、報告徴収、立ち入り検査等を規定
③特定動物(危険動物)に関する規制の強化
・愛玩目的での飼養を禁止・特定動物の交雑種を規制対象に追加
④動物虐待に対する罰則の引き上げ
殺傷:懲役5年、罰金500万円←懲役2年、罰金200万円
虐待・遺棄:懲役1年、罰金100万円←罰金100万円
4.都道府県等の措置等の拡充
①動物愛護管理センターの業務を規定
②動物愛護管理担当職員の拡充
③所有者不明の犬猫の引き取りを拒否できる場合を規定
5.マイクロチップの装着
①犬猫の繁殖業者にマイクロチップの装着・登録を義務付ける(義務対象者以外には努力義務を課す)
②登録を受けた犬猫を所有した者に変更届け出を義務付ける
6.その他
①殺処分の方法に係る国際的動向の考慮
②獣医師による虐待の通知の義務化
③関係機関の連携の強化
④地方公共団体に対する財政措置
⑤実施後5年を目途に必要な措置を講ずる検討条項
が改定されます。

どうぶつ基金参考資料 ブリーダー崩壊現場から 行政は数値規制がないため取り締まれないという現状

第3回までの検討会のおさらい
第1回
●動物取扱業に係る動物の飼養管理方法等の制度の概要について
●今後の検討の進め方について
第2回
●検討の進め方
●自治体の意見及び海外の基準について(報告)
●適正な飼養管理のあり方と基準の明確化に向けた方向性について
第3回
●海外の基準及び論文調査(報告)
●適正飼養管理のあり方と基準の明確化に係る対象項目について

今回の第4回検討会では、具体的な数値規制について話し合われました。
上乗せ基準を設定している6自治体からの聞き取り調査が行われ、数値規制の参考にされています。
なぜ基準の明確化が必要か、それは個人の主観で判断することがあってはいけない重要なところだからです。
明らかに虐待と見える環境下に置かれている動物でも、見る人によっては判断がまちまちです。例えば、糞尿まみれのケージでも、毎日水と食事が与えられていれば虐待でないと判断する人もいますし、小さなケージにたくさんの動物が入れられていても問題ないと判断する人もいます。目視での確認のみで判断せず、きちんとした1頭当たりの飼養スペースの数値化、管理方法の基準化をすることによって、判断基準を明確にすることが出来ます。

どうぶつ基金参考資料 ブリーダー崩壊現場から 行政は数値規制がないため取り締まれないという現状

また、検討会メンバーからは、今回驚くべき発言がありました。規制を強化することにあたり、生体販売業者は対応しきれなく、それによって販売個体の値段が上がり買えなくなる人が出てくるのではないかという業界擁護の発言です。そもそも安易に誰にでも買える値段、販売手段であることを見直さなくてはいけない法改定であるはずなのに、なんとも疑問符が付く人選です。また、検討会に経済学や統計学等の専門家が入っていなかったことも疑問を感じるものとなりました。

どうぶつ基金参考資料

この発言に対し、環境省の動物愛護推進室は、本来の目的である動物の健康、安全、生活環境の保全上の支障防止の観点から妥当と思われるものは明確化し、適正に運用していくことにせざるを得ないとの見解を述べています。
今回印象に残った発言として、環境省は最低限の数値基準という言葉を繰り返し使用していました。
最低限の基準とは、皆さんはどう思われますか?
改定をするのなら、最高の物を目指してほしいと思うのです。動物愛護のための法律なのですから、世界に誇れる日本の動物愛護管理法であってもらいたいのです。

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